クルマの進化や時代の流れで消えた懐かしのドラテク7選 (2/2ページ)

クルマの進化に合わせて乗り方も変える必要あり

⑤内がけハンドル

 ハンドルを切るときに、より大きな力を入れやすいとされる内がけハンドル……。しかし、パワーステアリングがない、「重ステ」時代ならともかく、現代のクルマにはマッチしない。

パワステだって、たしかに内がけハンドルのほうが切りやすいかもしれないが、内がけをしようとすると、どうしても肩や背中が背もたれから離れそうになるし、切ったハンドルを戻すことを考えるとメリットがあるとはいえない。ハンドルは切ることと同等以上に、戻すタイミングや量も重要だからだ。

⑥ポンピングブレーキ

 本来はブレーキがロックしたときに、一瞬ブレーキをゆるめてロックを解除し、再度踏み直すテクニック。その有効性は現代でも同じだが、ABS装着車ならドライバーが足でコントロールするより、はるかに高度なポンピングブレーキをABSがやってくれるので、ABS任せにしたほうが何十倍も効果的。

また、ABSレスのクルマでも、正しいポンピングブレーキがとっさにできる人はごく稀なので、大半の人はフルロックさせてしまったほうが、より安全だったりする。

⑦曲げるブレーキ・残すブレーキ

 スポーツ走行で、コーナーに進入する際、クリッピング付近までブレーキを残し、フロントに大きな荷重をかけ、リヤの荷重をできるだけ減らして、前輪を中心に後輪がアウトに流れやすくしてノーズを内側に向けようとするテクニック。

タイヤの性能が低く、ボディ剛性が低く、しかもフロントヘビー気味だったクルマには有効だったかもしれないが、タイヤはブレーキ=縦方向のグリップと、曲がる力=横方向のグリップを同時に最大限発揮することはできないので、タイヤの事情を考えると最適なコーナリングとは言い難い。基本的にクルマを曲げるのはブレーキではなく、ハンドルだということを覚えておこう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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