日産自動車グローバル本社に再生を記念して製作した記念碑を設置

日産自動車グローバル本社の日産ウォークにモニュメントが登場

 日産自動車のグローバル本社(神奈川県横浜市)の2階部分の歩行者公開通路「日産ウォーク」に記念碑を設置し、6月22日(木)にその除幕式を行った。

日産 記念碑「Wheels of Innovation(ホイール・オブ・イノベーション)」と名付けられたその記念碑は、500×360×50cmという巨大なもので、日産がこの17年間に創造した価値と変革を象徴したものだという。レバノン出身の建築家でありアーティストであるNadim Karam(ナディム・カラム)氏(写真左から2人目)の手によるもの。ステンレスで制作されており、制作費は非公開。

日産 記念碑今回その除幕式には、地元横浜から、渡辺巧教 横浜副市長や、中山こずゑ横浜市文化観光局長らも駆けつけて盛大に行われた。出席したのは、この4月にCEOと社長を退任し会長職に専念することとなったカルロス・ゴーン代表取締役会長、西川廣人代表取締役社長兼最高経営責任者、そしてこの3月に日産を退任した中村史郎さん、そしてナディム・カラムさんだ。

 除幕を前に西川CEOは「1999年以降のカルロス・ゴーンCEOのリーダーシップの下でのリバイバルプランによって成長と進化を遂げたことで、今の日産があります。現在、自動車業界は変化の時代に入ってきています。こんな時代に日産が自信を持って漕ぎ出していけるのは、やはりこの17年間の土台があってこそです。この軌跡を振り返り、感謝をして、これから先のステップとして、さらなる進化と成長への決意を新たにする場にしたい」とこの記念碑の意味を述べている。

 レバノンで製作されたこの彫刻作品は、ルノーの資本提携を結んだ1999年から2017年までの日産の成長を支えた5つの企業理念「グローバリズム」、「サステナビリティ」、「チャレンジ」、「アライアンス」「ダイバーシティ」を、その5つの輪で表現したものとなっている。この記念碑の構想自体は、ゴーン氏自らが発案したもの。実際の製作については中村史郎さんをはじめとする日産自動車のデザイン本部がサポートをしたという。

 ゴーン会長とカラム氏とは同郷となるわけだが、アート好きなゴーン会長の目に留まっただけで、旧知の仲というわけではないという。日産リバイバルプランを推し進めたゴーン会長の顕彰碑的な意味合いのようにも受け取れるが、そうではないと関係者は否定している。

 この作品の重量は2トンにも達するという。しかし、上から吊っていることもなく、土台部分も非常に華奢に見える。しかし、実はこの床部分に十分な補強を加えており、地震などで揺れても加重が分散するようになっているという。

 当初は、アーティスト側からの要望で1Fのエントランス部への設置を検討していたようだが、屋外であることはもちろん、エントランスの使用等で非常に制限が多く断念し、この2Fへの設置へと変更となった。日産ウォーク内での見通しもよく、風雨に晒されることがないので見栄えもキープできる、と関係者には好評のようだ。

 日産ウォークは日産のグローバル本社ビル2階を使用し、はまみらいウォークとみなとみらい歩道橋の間を貫く形で設定された歩行者用通路。同ビル1Fにあるグローバル本社ギャラリーへの入り口も設置されている。日産関連の横断幕が天井部に吊り下げられ、それが架け替えられることはあったが、モニュメントが設置されたのは今回が初めてのこととなる。


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