車いす利用者も人馬一体! マツダがロードスターRFなど3車に手動運転装置付車を設定

高齢者にも優しい車両開発を行っている

 マツダ株式会社(以下、マツダ)は、足でのペダル操作が困難な、主に車いす利用者を対象とした「マツダ ロードスター RF」、「マツダ ロードスター」ならびに「マツダ アクセラ」の手動運転装置付車を2017年9月21日より発売した。

 また、東京ビッグサイトで開催された、「第44回 国際福祉機器展 H.C.R.2017」(主催:全国社会福祉協議会、保健福祉広報協会)に、「マツダ ロードスター RF」の手動運転装置付車をその他の福祉車両とあわせて出品した。手動運転装置付車

 メーカー希望小売価格(福祉車両ため消費税非課税) いずれもAT車のみの設定

 マツダ・ロードスター RF  手動運転装置付車 338万5900円~369万5900円

 マツダ・ロードスター   手動運転装置付車 296万5900円~327万5900円

 マツダ・アクセラ     手動運転装置付車 199万6900円~337万1900円

  

 これらの福祉車両に採用された装備は以下となる。

・手動運転装置(コントロールグリップ)

 センターコンソール横に、引くと加速、押すと減速する使いやすい形状の「コントロールグリップ」を装備。使用頻度の高いウインカー、ホーン、信号待ちで便利なブレーキロック等のスイッチが集約され、ステアリング操作以外の各操作をほぼ片手で行える。ロードスター/ロードスター RFについては、ステアリング右側のスポーク内に「ステアリングシフトスイッチ」を設定。マニュアルモードを右手のみで操作可能にしている。

・旋回ノブ(オプション)

 片手でハンドル操作を行うための旋回ノブは、握ったまま回転操作が行える。

・乗降用補助シート(サイドサポート)(オプション)

 座面折り畳み式で運転の妨げにならず、運転席への乗り移りをよりスムースにサポートする。

・助手席前倒しレバー(オプション)

 助手席右側の操作レバーを運転席側から引いて助手席を前に倒すことが可能。折りたたんだ車いすを助手席後部に出し入れする際に、便利なレバーである。

・車いすカバー

 一人で乗車した場合に車いすを助手席に収納するためのカバーで、車いすのタイヤを外し、カバーで上下を包み込むスタイルである。

 さて、マツダは、技術開発長期ビジョンの「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」に基づき、クルマの持つ魅力である「走る歓び」によって、美しい「地球」と心豊かな「人」・「社会」を実現し、人の心を元気にすることを目指している。

 この中の「社会」の課題の一つとして、体の不自由な方の移動手段不足を挙げ、また人や社会との直接的なかかわりが希薄になることで増すストレスを「人」の課題としてとらえている。

 そのため福祉車両の開発において、単なる移動手段に留まらず、クルマの運転を通じて自由に移動すること、運転する愉しさ、「走る歓び」を提供し、心豊かな人生を味わえるよう、特別な絆をオーナーと持てるブランドへの成長を目標としているという。

「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」

「地球」、「社会」、「人」のそれぞれの領域における課題を認識し、解決を目指す技術開発の長期ビジョン。「美しい地球と心豊かな人・社会の実現をマツダの使命ととらえ、クルマの持つ価値により、人の心を元気にすることを追究し続けることを宣言している。

 今回発売の手動運転装置付車3台のほかにも、助手席回転シート車のデミオやオートステップ車のビアンテなど体の不自由な方はもちろん足を上げにくい高齢者にも優しい車両開発を行っている。

 マツダが掲げる“人馬一体”の走りをダイレクトに体感できるロードスターを福祉車両として選択したことは、ハンディキャップを抱えた人にも運転する愉しさや走る歓びを与え、諦めていたクルマへの熱い思いを再び呼び起こすきっかけとなったに違いない。

 この先も、 多くの人がクルマとともに充実した生活が送れる福祉車両モデルの開発や、さらなる改善に期待していきたい。


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