タクシーの事故には事業者も運転者もかなり厳しいペナルティがある!

事業者によっては事故=退職ということも

 1年365日街なかを走っているのがタクシー。それだけ確率からいっても事故に遭遇する機会は多い。そしてタクシー事業者の経営を悩ますのが事故である。

 あくまで一般論であるが、タクシーの事故では実車中(お客を乗せて走っている)よりは、空車のときのほうが多いとも聞く。見ず知らずの第三者を仕事のために乗せて走るという行為は、想像している以上に緊張することである。そのため、お客を降ろしてメーターを空車に戻して、緊張がほぐれた瞬間や空車走行で漫然と運転しているときなどに事故が多く発生するようだ。

 新人のうちはガチガチに緊張するのは当たり前ともいえるが、たとえベテランといえども、レベルは違えどやはり緊張してお客を乗せていることには変わりないのである。

タクシーの事故

 タクシーの事故によるペナルティは運転手個人よりも、事業者に対するもののほうが厳しいものとなる。運転手については事業者によっては「事故=退職」という厳しいところもあれば、物損についてはとくにペナルティがないなど、かなり対応はバラバラになっている。

 ただ、事故が多ければ当然各事業所内で設定される、運転手のリーダー格にはなかなかなれなくなる。リーダー格になれば、事業者からも、より優良顧客の多いタクシー乗り場(東京なら羽田空港や大手高層インテリジェントビルなどのタクシー乗り場)や、優良顧客担当(テレビ局員の自宅への送迎など)などへ抜擢されるので、より安定した収入が約束されるのである。

 また頻繁に事故を起こすと(事故惹起者)、事業所で安全運転講習を受けることになり、事業所によってはその期間は乗務停止になることもあるようだ。タクシーの事故

 物損でサイドフェンダーが凹んだなど、比較的軽重な事故ならば、中堅タクシー事業者ぐらいならば、自社整備工場を持っているので、そこで半日もあれば修理できてしまうのである。タクシー会社には部品取り用の廃車車両を保存していたり、リビルトのドアパネルを多数ストックしている。つまりタクシーの修理で新品の部品が使われることはかなり稀となっているようである。タクシーの事故

 面倒なのは人身事故が起きてしまった場合。死亡及び重傷事故を含む、国土交通省が定めた重大事故が発生した場合、タクシー事業者は監督官庁である運輸支局長を経由して国土交通大臣に重大事故報告書を提出しなければならない。報告書提出後に当該事業所の監査が行われる。監査の際に帳票不備などが見つかれば、その発見した不備によって、交通違反の違反点数のようにカウントしていき、一定台数のタクシー車両の“ナンバー封印解除”などの行政処分が課せられてしまうのである。タクシーの事故

 ナンバー封印解除とは、ナンバープレートを持っていかれるので、当該車両での営業運行はできなくなり、どんなに頑張っても100%所有車両を稼動させることができず、収益へ悪影響を及ぼしてしまうのである。

 なお聞いた話では、車両同士の物損事故で、相手方にかなりの割合で過失があるようなケースでも、警察の現場検証では、タクシードライバーはプロだからということで、過失割合が逆転するなど、より厳しい目で見られることが多いとも聞いている。タクシーの事故

 タクシー運転手の行政処分(違反)も、累積して免停になると厄介なこともあり、スピード違反などの行政処分を受けたら事業所に報告義務があり、場合によってはしばらくの間乗務停止になることもあるということだ。

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