高速だけで年間33万件超の落下物! ランキング上位の落とし物とは

落とし主に大きなペナルティもあるので積載時は要注意

 冬本番を迎えるこの季節、全国的にも風が強い日が多く、道路上への落下物が増える時期でもある。大きな落下物から、釘やネジ、空き缶やペットボトルまで、走行中のクルマにとってはすべてが大敵で、ときに凶器になりかねない。落下物

 2017年10月に、岡山県で落ちていたタイヤに軽乗用車とトレーラーが乗り上げ、2人が死亡する事故が起きたのは記憶に新しいところだ。NEXCO中日本の交通管理隊が2016年度に処理した落下物の件数のデータを見てみると、高速道路で一番多い落下物は、プラスチック・ビニール・布類(毛布、シートなど)で、2万5400件。

 次いで、自動車部品類(タイヤ、自動車付属品など)が、8900件。木材類(角材、ベニヤなど)が、6900件。ロードキル(動物の死骸)が、6900件。その他が、1万7400件で、合計65,500件もの落下物が見つかっている。

 冬場は、スキーやスノーボードの落下物が増え、そのほかにもスコップや脚立、台車や自転車などに乗り上げたり、ぶつかったりしたらただでは済まない落下物も多数報告されている。一般道では、ホイールキャップやペットボトル、空き缶、木の枝、ビニール袋、動物の死骸、タバコの吸い殻、靴、新聞雑誌、電池、衣類、食品、段ボール箱、発泡スチロール・・・・・・など、落下物の種類もより幅広くなる傾向がある。

 全国だと高速道路だけで年間平均33万件以上もの落下物の回収件数があり、一般道も含めると落下物がらみの人身事故も、毎年100件以上起きているので、落下物のトラブルは他人事ではない。

 落下物で被害に遭わないためには、第一に車間距離をあけること。また積み荷の固定が緩そうなクルマには近づかない。あまり路肩に寄って走らない(落下物は、路肩側に落ちている場合が多い。また少しでも前が見通せるほうが、落下物の早期発見につながる)。また、紙やビニール、布類など、柔らかくて、軽そうな落下物でも、極力踏まない、触らない。

 そして道路で落下物を見つけた際は、携帯電話で、道路緊急ダイヤル「#9910」(24時間受け付け)に連絡し、一刻も早く、落下物を処理してもらうことで、被害をなくそう。一番大事なことは、落下物を出さないこと。高速道路に積載物を落下させると、違反点数2点、反則金は9000円(普通車)で、もし、落下物により第三者に被害を与えた場合には、「3カ月以下の懲役若しくは5万円以下の罰金、又は10万円以下の罰金」、落下物により死傷者が出てしまうと、「7年以下の懲役もしくは禁錮又は100万円以下の罰金」となる。

 ドライバーはもちろん、同乗者や、運送会社、荷主も、落下物は“凶器”という認識をしっかり持って、これまで以上に落下物を出さないことを意識して、年始のドライブもご安全に!


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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