高速走行中のトラックの「タイヤが浮いている」ことがあるのはなぜ? (2/2ページ)

燃費向上やタイヤの摩耗軽減などのメリットもある

 たとえば、東名高速の東京インターから名古屋インターまでの314.6kmで比較すると、

・車軸数の合計が3車軸のトレーラー=大型車の通行料は、11500円。
・車軸数の合計が4車軸以上のトレーラー=特大車の通行料は、19200円。

 差額は7700円で、この差は大きい。

リフトアクスル

 ちなみに車軸のアップ/ダウンは、事前にメーカーが設定した軸荷重により制御されていて、業界大手である日本フルハーフの「リフトアクスル」の場合、軸重9.2トン以上で自動降下して通常の2軸または3軸走行になる。

 これで荷物満載の片道は特大車の料金だとしても、空荷になった片道の高速代が約40%も安くなったら経費的には万々歳。運送会社が利益を出しやすくなるだけでなく、物流の多くをトラック輸送に依存している、われわれ消費者にとっても、経費削減はありがたいことだ。そのため、「リフトアクスル」は日本独自のシステムといわれている。

リフトアクスル

 ただし、「リフトアクスル」のメリットは、高速料金の大幅節約だけではない。

・車軸を浮かせることで、燃費を向上し、タイヤやブレーキ等の摩耗も低減。(ランニングコストが安くなる)

・1軸又は2軸をリフトアップすることで、路面等への影響を少なくできる。

・リフトさせると、トレーラーの回転操縦性が向上する。

 などのメリットがある。日本のトラックは荷物だけでなく、じつは知恵と工夫が詰まったハイテクも満載して全国を走り回っているわけだ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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