トヨタ ヴィッツが1000万円! マツダがベンツ並み! 日本車が高級車化する驚きの海外事情

トヨタや日産は普通だがマツダはカンボジアで高級ブランド

「マツダはBMWやメルセデスと同等のプレミアムブランドです」。カンボジアの首都、プノンペンのマツダーディーラー経営者は、そう言い切る。

 つまり、アテンザが5シリーズやEクラス、そしてアクセラが3シリーズやCクラスと同等の商品イメージなのだ。カンボジアは、まだ経済成長が始まったばかり。タイ、マレーシア、そしてベトナムなどの東南アジア各国と比べると、乗用車の普及もまだまだこれからという段階だ。

国産車

 そうした中、カンボジアの自動車販売会社が2015年、マツダブランドとしての国内ディーラー第一号店をオープンした。そのショールームは、まるで欧州プレミアムブランドと同レベルの高級な雰囲気だ。

 気になる価格だが、日本円換算すると日本より少し高い程度。しかし、平均所得が日本の10分の1に近いカンボジア庶民にとっては高値の華だ。筆者と一緒に来たタクシーのドライバーに、「仕事が1時間以上かかるから、店内で待たせてもらえばいいよ」と声をかけたが、「いや~、僕みたいな庶民が入れるような雰囲気じゃないので、遠慮しておくよ」と答えるほど、カンボジアでのマツダの敷居は高い。

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●マツダだけが高級ブランドになった理由

 マツダがこれだけ超高級ブランドなのだから、トヨタ、ホンダ、日産もカンボジアでは超高級かと思うと、そうではない。アメリカからの輸入車や、隣国のタイなどからかなり年式の古い日本車の中古車が流れてきており、価格はそれなりに高いが、マツダのようなプレミアム性はない。

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 なぜ、そうなのか? 理由は、マツダが東南アジアでの販売を伸ばし始めてから日が浅く、またアメリカからのマツダ車の輸入がほとんどなく、カンボジアではマツダは無名の存在だったからだ。そのため、最初から「マツダは高級車だ」というマーケティング戦略を打つことに成功した。

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 それまで、魂動デザインやSKYACITIV技術をまったく知らないカンボジアの人たちにとって、マツダの最新フルラインアップは強烈なインパクトがあったのだ。

●購入証書が高いシンガポール

 その他の国で、庶民派の日本車がバカ高い国といえば、シンガポールだ。たとえば、トヨタ・ヴィッツが新車で1000万円近い高値である。ここまで強烈に価格が高い理由は、新車を購入するために取得が義務付けられている証書の価格が高いからだ。

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 シンガポールの国土は東京23区とほぼ同じ。そこに600万人が暮らし、自動車の保有台数は約100万台。シンガポール政府は渋滞緩和や環境対策のため、1990年から販売台数の抑制を続けている。そこで導入されたのが、新車の購入証書だ。その取得方法も変わっていて、ネット上のオークションで高値をつけた順番に証書取得の権利を得る仕組みだ。購入証書の配布時期や枚数は、シンガポール政府が決める。

 その結果、ヴィッツのような排気量1.6リッター以下のクルマの購入証書は600万円以上の高値が付く。このように、さまざまな理由によって、日本車がバカ高い価格で取引されている国がある。

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