ルーツはコロナ! ハイソカーブームを支えた名車「トヨタ マークII」とは

トヨタ・コロナの派生車種として登場

 現在ではマークXに取って替わられているが、ルーツとなるのはマークIIだ。そもそもマークIIというのは2番目といった意味で使われるが、では何の2番目かというと、答えはコロナだ。マークII

 1968年にコロナの派生車種として登場したのだが、ハイソというよりも、セダン本流であるコロナに対して、ライトなイメージをもたせていた。そのため、ピックアップもラインアップされていたほどだ。つまり現在すでにコロナは存在しないが、コロナが実用セダンでマークIIがプレミアムという後年のイメージとは、逆ということになる。

 その後、両端が逆スラントの悪な感じの2代目や、丸目が特徴的だったことからブタ目と呼ばれた3代目が登場。そして4代目は、クラウンの弟分的なデザインと位置付けでデビューし、トヨタを代表するミディアムサルーンという立ち位置を確固たるものにしている。また4代目で注目なのが、販売店違いのチェイサーとクレスタが加わって「マークII3兄弟」となったことだ。

 そして、1984年に登場した5代目が大ヒットとなるのだが、それを後押ししたのが、ハイソカーブームだ。世はバブル、白いクラウンに対してこちらも白いマークIIが人気となっただけでなく、日本車初のツインカム・ツインターボを採用したことで動力性能も非常に高く、走り好きにも支持された。またデートカーとしても大人気になり、女子大の前には迎えにきた白いマークIIがずらりと並んだりもした。

 このハイソカーブーム、ソアラをはじめとしたクルマそのものを指すこともあるが、ドレスアップでも使われた言葉である。街道レーサーで火がついたエアロというかカスタムというか、クルマのデザインそのものをいじる流れがマークIIなどにも波及。当時としてはスタイリッシュでセンスのあるエアロを装着することも、ハイソカーブームの流れのひとつにあった。

 その後、保守的なクラウンに対して、マークII3兄弟は、ライト感覚とほどよいスポーティさを特徴として続いていく。8代目でツアラーVが人気となったものの、結局はセダンの衰退などもあり、21世紀に入ったところでマークXへと切り替わり、イメージは刷新されていくこととなった。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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