クルマ好きが「昔のクルマのほうが良かった!」と懐かしむこと7つ (2/2ページ)

腕1本で勝負できる楽しさは昔のクルマならでは!

5)自分でイジる楽しさがあった

 昔のクルマの構造はシンプルで、ボンネットを開けるとエンジンルームは割とスカスカ。メカにちょっと強い人なら、自分でメンテナンスしたり修理できる要素も多かった。それに比べ最近のクルマはボンネットを開けても、見えるのはエンジンカバーぐらい……。メカニカルな要素での楽しみは、かなり減少してしまったのではないだろうか。

6)電子制御の影響が小さい

 ABSは別格として、電子制御の姿勢制御技術が当たり前になってくると、クルマとドライバーのダイレクトな関係が薄れてくるという問題も……。もちろん、電子制御のメリットも大きいので味付け次第なのだろうが、昔のクルマはもっとシンプルに楽しめた。

7)「幸せコストパフォーマンス」が大きい

 昔のクルマでよかったのは、技術の進歩に対し、素直にワクワクできたこと。わかりやすいのはエンジンパワー。130馬力(L型)のC210日産スカイラインから、150馬力のDOHCのFJ20エンジンを積んだR30スカイラインが出たときは「おお~」となったし、ターボ化されて190馬力、205馬力になったときはニュースになった。

 NAだって、ホンダ・インテグラが1.6リッターで160馬力=リッター100馬力を達成したのも話題になったし、ガゼールターボが60タイヤを履いた、R32GT-Rで50タイヤ解禁、ファミリアがフルタイム4WDターボで速いなど、技術革新が日本中のクルマ好きをワクワクさせた。しかもそれらの最先端のクルマが、若者でも手を伸ばせば買えたのが大きい。

 平成元年(1989年)の大卒の初任給平均は160,900円。2017年は212,873円。それで、S13シルビアのターボが、当時新車で210万円。今ではハチロク・BRZで300万円クラス……。280馬力自主規制の上限=GT-R、NSX、Z、スープラ、RX-7あたりまでは、300馬力前後でとってもワクワクできたのだが、400馬力、500馬力、600馬力になったとしても、あのワクワクは……。

 もちろん今のクルマは非常に進歩しているし、安全で、細部までよくできている。しかし、その分、車重が重いし、価格も高い。その価格を、ワクワク感で割った「幸せコストパフォーマンス」で考えると、昔のクルマにかなり及ばないというのが現状なのではないだろうか?


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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