エンジンブレーキだけの減速は危険? ブレーキペダルを併用すべきケースとは

エンジンブレーキだけの減速は危険? ブレーキペダルを併用すべきケースとは

場合によっては大きな減速Gが出ることもある

 たとえば、あるクルマが3速・3500回転、スロットル開度40%で走っていたとき、速度は60㎞/hだったとしよう。平地でそのままのアクセル一定で走り続ければ、速度も60㎞/hがキープされる。そこからアクセルをグンと踏み込むと、速度はスルスルと上がっていく。これが加速だ。反対に、アクセルを全閉にすれば、速度はみるみる落ちていく。このようにアクセルを戻すことで、クルマを減速させることをエンジンブレーキという。エンジンブレーキ

 同じ速度で走っていても、そこからアクセルをより大きく踏み込めばより力強く加速するように、エンジンブレーキも高い回転数=スロットル全開に近い状態から一気にアクセルを戻すと、より制動力が大きくなる。エンジンブレーキ

 また、低いギヤでアクセルを踏み込んだほうが加速力が鋭くなるように、エンジンブレーキも高いギヤより低いギヤのほうが、速度の変化量は大きくなる。このエンジンブレーキは速度の微調整や、下り坂で速度が上がっていかないように利用するのが主な利用方法だが、使い方によっては、意外に大きな減速力だって出すことができる。エンジンブレーキ

 極端な話、F1マシンは300㎞/hで走行中いきなりアクセルを全閉にすると、それだけで乗用車のフルブレーキと同じ、1Gの減速Gが発生するほど! この場合、エンジンブレーキよりも空気抵抗の影響のほうがはるかに大きい。エンジンブレーキ

 そのため、F1マシンは燃費をセーブするためにストレートエンドで早めにアクセルをゆるめると、テールランプが点滅し、後続車へエンジンブレーキを使っていることを知らせるようになっている。普通の乗用車にはそうした機能はついていないので、エンブレだけで減速するときは、後続車に十分注意しよう。エンジンブレーキ
具体的には下記の通りだ。

1)ある程度速い速度で走っているときに、一気にアクセルを全閉にするとき(アクセル開度でいえば、全開からハーフ、ハーフから1/4ぐらいの変化量、あるいは4速以上の高いギヤでアクセルを戻すときなどは該当しない)。

2)高いギヤから、3速、2速へとシフトダウンを行いながら減速するとき。

3)下り坂などで、低いギヤ+ハーフスロットルで走行し、コーナー手前でそのアクセルを全閉にするようなとき。

 こうしたシチュエーションでは、エンジンブレーキだけでなく、ブレーキペダルも踏んでブレーキランプを点灯させ、後続車に減速中であることを知らせることが重要だ。エンジンブレーキ

 AT車でも、パドルシフトなどで、ポンポンポンとシフトダウンさせ、エンジンブレーキだけで比較的強い減速Gを出しているクルマがときどきいるが、あれはかなり危険な行為。MT車でいえば、3速、4速、5速で走行中、アクセルをスッと抜くようなエンジンブレーキなら、フットブレーキは使わなくてもあまり問題ない。エンジンブレーキ

 しかし、シフトダウンを伴ったり低いギヤでアクセルをパッと戻して減速するようなときは、ブレーキペダルも踏んで、後続車に減速していることを知らさないと追突されるリスクが高まるので要注意。AT車(CVTやハイブリッドを含む)でも、ATのセレクターをBレンジやSレンジにすれば、エンジンブレーキが強く効くようになっているので、Bレンジ、Sレンジを使うときも、注意点は同じ。ブレーキペダルを踏むと、よりエンジンブレーキの効果が高まる仕組みになっているATもある。エンジンブレーキ

 ちなみに、ハイブリッド車やEVなど、電気式の回生ブレーキ装着車は、減速Gが0.1G以上になると、ブレーキランプを点灯させることが保安基準で求められている。0.1Gの減速Gは、フルブレーキの1/10ぐらいのG。感覚的にはわかりにくいかもしれないが、このルールに準じて、エンジンブレーキだけでも、ある程度の減速Gが出るようなシチュエーションでは、フットブレーキも併用し、ブレーキランプを点けるように心がけよう。

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