ランエボとパジェロを融合!? 三菱エクリプロス クロスを担当したデザイナーのこだわりとは (4/4ページ)

新採用したRED DIAMONDというカラーへの徹底追求

 新しいボディカラー「レッドダイヤモンド」は、新型エクリプス クロスの見どころのひとつだ。コンセプトカーなどの「一品物」に使われていたこのカラーは、透過性のある赤を重ねて塗るため、少しでも塗膜の厚みにムラが出ると、そのまま黒ずんだ色ムラになってしまうという、極めて量産化の難しい色であった。

 開発を担当したカラーデザイナーの安井智草さんは、当初から量産不可能と言われていたこのカラーを実現させるために、この色の必要性を関係部署に1年以上もかけて説得してまわったという。

 その熱意に動かされたのが、定年を迎えて現役を退いていた塗装技術のスペシャリスト。三菱自動車内では伝説のように謳われる匠だ。透過層が1000分の2mm違うとムラになってしまうというこの色を実現できたのは、均一に塗るための測定ポイント約千カ所を探し出し、その部分の塗膜厚が一定に保たれるよう、試行錯誤で塗装ロボットのプログラムを作り上げたことによる。機械ではどうしても実現できなかったものを最後の最後に可能にしたのは、人間の匠の技だったのである。

 ちなみにこのレッドダイヤモンド、補修性についてもしっかり考慮されており、修理塗装のためのディーラー教育や、補修用の専用塗料の開発なども行なわれているので、運転に自信がなくクルマをこすってしまいそうな人も、これなら安心かもしれない(?)。


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