タブレットがあればカーナビは不要? 実際に使ってわかったマルとバツ

コストを考えたら満足度は非常に高い

 当サイトでカーナビに関する記事を書いていた際に、「CARトップ本誌で連載中の軽キャンパー生活で、軽キャンパーにはカーナビがないからタブレットをカーナビ代わりに使っている」のをそういえばと思い出し、タブレットをカーナビ代わりにジックリ使った印象をお伝えしたいと思う。タブレット

 結論から言えば「コストを考えたら満足度は非常に高い。中古車を見ているとたまに新しいクルマでもオーディオしかないクルマも見るが、スマートフォンやタブレットをナビ代わりに使っていたのであれば、それもよく分かる。今後カーナビ業界はどうするんだろう」といろいろなことを考えさせられた。

 まず筆者自身は「スマートフォンのようなデジタル機器は便利だから使うけど、強い関心はない」という、クルマでいえば「クルマに強い関心はないけど、必要だから使う」という人のようなタイプだ。そのためスマートフォンにお金を使う気はなく、実質無料のような端末を使っている。タブレットもスマートフォンのバッテリーの持ちが非常に悪くなり、前述の端末に機種交換に行った際に、タブレットにも少し興味があり、「端末代が実質無料なら」とそういった端末をいただいたような格好だ。ちなみにタブレットの月使用費は2000円程度である。

 カーナビ代わりに使う前は、ベットの上でスマホより大きな画面で無線LAN経由でネットやYou Tubeを見ながらそのまま夢の中に行くくらいにしか使っていなかったが、それだけでも仕事以外は家からあまり出ない引きこもりがちな筆者には十分な利用価値があった。

 そのタブレットをあまり知られていないながらも評判はいい、”TCスマホナビ”というトヨタのアプリをダウンロードし使ってみると、

・カーナビのように交差点の拡大機能や道路標識に矢印が入る機能もあるなど、機能的にはカーナビとほとんど変わらない

・スマートフォンだと画面の小ささがクルマで使うには難ではあるが、タブレットであればカーナビより画面は大きいくらいでノープロブレム

・タブレットであれば音量も、決して車内騒音が小さくない軽キャンパーに使っても問題ない

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・経由地を入れて使う際など、若干慣れは要る(でもそれはカーナビも同じだ)

・車両位置を把握する情報源がGPSしかないので、さすがにトンネルの中では自車位置が止まってしまう

 と、ナビとしての機能は余裕で合格点をクリアし、決定的な難点もない。そうなれば、むしろカーナビであれば無料、有料はともかくとして地図データの更新が必要になるところを、タブレットやスマートフォンであれば地図更新も無料に近くかつリアルタイムに近いというメリットも際立つ。

 そうしたことを総合すると、カーナビ代わり以外にも使えることも含めれば月2000円程度の使用費(カーナビ代わりに使う際のパケット使用は別として)はカーナビの購入費+先々の更新費に比べれば、違うクルマでも使えることを含めとても安いものに感じた。それだけに最近はカーナビを買わない人が増えていたり、カーナビを選ぶ際に高いもの買う人が減っている背景もよく理解できた。

 タブレットをカーナビ代わりに使ってみると、「今後カーナビは不要になり、これまでモニターが入っていたところにはオーディオが入ることになるのかもしれない」とも思う。しかしタブレットを置くと、ダッシュボードがゴチャゴチャしてしまうというのも事実ではある。

 といったことを考えると、今後はパイオニアやケンウッドが出しているモニター付きオーディオや、三菱エクリプスやアウトランダーに用意されているスマートフォンと連携できるモニターが進化していくように感じた。

 そうなると今までのカーナビはよほどの付加価値や価格を含めた魅力を持たない限り、生き残り難しいのではないだろうか。


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