制限速度内の公道ドリフト! 一方通行をバックで逆走行! 明らかなマナー違反の行為の違法性は?

どちらも道交法に反する行為で当然罰則の対象

 今回は交通マナーとルールに関する2つのケースについて考えてみよう。ひとつ目は若気の至りで身に覚えのある人もいるかもしれないが、制限速度の範囲内で、交差点等でテールを流して右左折したり、サイドブレーキを引いてスピンターンでUターン(Uターン禁止場所を除く)するのは交通違反なのかという問題だ。違反行為

 マナー違反は当然として道交法違反だとすれば、どんな違反にあたるのか。まずは、「交差点右左折方法違反」。「道路交通法第34条」には、「車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、“徐行”しなければならない」「右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、“徐行”しなければならない」とある。

 ドリフトやサイドターンは、とても徐行していたとは言えないので、違反点数1点、反則金4000円(普通車)のペナルティ。また、テールを流すことで、スキール音が生じることから、「騒音運転等違反」(違反点数2点 反則金6000円)を問われる可能性も。

 これは「道路交通法第71条」「正当な理由がないのに、著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる騒音を生じさせるような方法で、自動車若しくは原動機付自転車を急に発進させ、若しくはその速度を急激に増加させ、又は自動車若しくは原動機付自転車の原動機の動力を車輪に伝達させないで原動機の回転数を増加させないこと」というものだ。

 もうひとつ、「安全運転義務違反」というのもある。

「道路交通法 第4章 第70条」(安全運転の義務)「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような“速度と方法で”運転しなければならない」。

 これも違反点数2点、反則金9000円コース……。いずれにせよ、一般公道で故意にテールを流すのは、グレーではなくアウトとなる。

 もうひとつは、一方通行の道にバックで入った場合。

「クルマのノーズさえ、一方通行の出口を向いていれば、(バックで進入しても)セーフ」という噂もあるようだが、道路交通法の「通行区分」では、「一方通行=道路における車両の通行につき一定の方向にする通行が禁止されていること」とあるので、クルマのノーズがどちらを向いていようと、進む方向が指定どおりでなければ違反になる。

 また、一方通行の道路は、通常、出口側に「車両進入禁止」の標識がセットになって表示されているので、バックでの一方通行の出口側からの進入も、「通行禁止違反」で、違反点数2点、反則金7000円。

 もし、うっかりして、一方通行の道を逆走してしまったら、とにかく安全が第一。気付いた時点で停車して、ハザードランプを点滅させて、周囲に十分気を付けながら、バックで一方通行の出口まで戻るしかない……。その途中で、警察官に見つかれば、違反を指摘される可能性もあるだろうが、現認されない限り、あとから咎められることはほとんどない。いずれにせよ、一方通行・車両進入禁止の標識を見落とさないことが肝要だ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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