【試乗】ホンダN-VANは遊びに使うなら最高の相棒! 軽1BOXを圧倒する走りも魅力

複数人での乗用メインで使うなら買う前に乗り味を要チェック

 N-VANについては最初に確認しておくべきことがある。当たり前のことながら荷物を運ぶための「働くクルマ」であり、基本的にドライバー1人の居住性と安全性しか想定していないということ。2人以上で乗る機会が多いなら、とりあえず助手席の座り心地からチェックしてみることをすすめておく。

 写真だとわかりにくいかもしれないが、助手席は前後スライド機能なし。けっこう前気味のポジションであるのに加え、シート自体もクッション薄く座面はフラット。郊外電車の向かわせボックスシートをイメージしてもらえばいいと思う。また、後席も背もたれの上端低く、追突されたら少しばかり心配。

 ホンダも十分わかっており、リヤシートは法規的な安全性を想定している「ヘッドレスト」と呼ばず、枕を意味する「リアシートピロー」になってます。また、ベーシックグレードにはピローも付いておらず超危険。もし後席に人を乗せるのなら、必ずディーラーOPのピロー(9270円)を買うこと。

 上記の件、N-VANに限らず軽1BOXすべてに当てはまることなのだけれど、その手のクルマを乗用車代わりに使う人など少ない。N-VANってオシャレだし、メーカーやメディアの取り上げ方を見ていると乗用車代わりに乗る人が出てきそうな雰囲気。弱点をキッチリと認識して頂きたいと思う。

 では試乗と行きましょう。売れ筋になりそうなターボなしモデルから。Dレンジをセレクトして走り出すと、乗用車のN-BOXより若干重い感じ。後でチェックしてみたら、ボディ補強などのため同じ装備内容で70kg重くなっている上、試乗用に100kgの”荷物”を積んでました。

 パワー不足かとなれば、そんなこともない。最終減速比を落として対応しているからだろう。けっこう挽回出来ている。近所の配達用として使うなら問題なし。ただ流れの速い国道や高速道路の使用頻度が多いなら、ターボ付きを選ぶことをすすめておく。登り坂や100km/h巡航の余裕はターボが圧倒的。

 ターボなしに限りS660のミッションをベースにした6速MTも選べる。1速は低め(空荷なら2速スタート可能)。6速がアクセル開けてもビミョウな加速しかしない平坦地の巡航用になっており、2〜5速が常用ギヤという設定。ターボなしで元気よく走りたいなら、6速MTを選ぶのもいい。

 残念なことに6速MTを選ぶと、多岐に渡るホンダセンシングの機能のウチ、アダプティブクルーズがなくなる。マニュアルの楽しさと、アダプティブクルーズの楽チンさのどちらを選ぶか迷うことだろう。遠乗りしないなら、キビキビ走る6速MTでしょうね。自動ブレーキは6速MTでもバッチリ機能する。

 乗り心地についちゃ「軽1BOXと比較にならないくらい良い!」。軽1BOX、ホイールベース短くてピョコピョコするし、重心も高くロール方向の安定性低い。N-VANのハンドリングは乗用車のN-BOXと同等。街中からワインディングロード、高速巡航いずれの道も快適に走れます。

 ラゲッジスペースの広さや使い勝手についちゃモンクなし! 軽1BOXに匹敵するペイロード(荷物)を飲み込む。けっこう大きなバイクまで積めると言うから驚く。釣りのベースや、オートキャンプでベットルーム代わりに使えたりするなど、アウトドアの遊びが好きならベースとしてもバッチリだ。


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