もっと評価されるべき! 伝統の車名でも「不人気」なスポーツモデルたち (2/2ページ)

ターボの荒々しさがなかったことが不評だったが……

2)日産・フェアレディZ(Z33)

 Z33は、2002年デビューの5代目。先代が国産初の280馬力&ターボモデルだったので、NA3.5リッターエンジンのVQ35DE型エンジンが何となくユーザーに物足りなく映った感がある。しかし、NAのV6エンジンとはいえ、初期型から最高出力は280馬力もあり、FMプラットフォームをベースとしたシャシーは、2シータークーペオンリーと割り切っていて、前後重量配分は53:47と理想的!

 デザインも非常にZらしいスタイリングを継承しており、空力的にはオプションのスポイラーなしでも、フロントの揚力はゼロ=ゼロリフト。スポイラーを装着すると、前後ともゼロリフトという優秀さを誇る。欠点は、当初VQ35エンジンが6600rpmしか回らなかったこと。パワーとドライバビリティが良くても、スポーツカーのエンジンが6600rpm止まりというのはさすがに寂しく不評だった(のちに7000rpmに)。

 また、当時のスポーツカーがターボチューンの全盛期だったこともあり、大排気量NAのZ33への関心は薄く、ZファンからもZ31、Z32のターボのイメージが強かったせいか支持はイマイチ。乗ってみるとシャシー性能がいい割に、エンジンが大人しいのでコントロール性に優れる。2シーターということもあり、いい意味で大きな(マツダ)ロードスター的なキャラクターといえ、ドライバーフレンドリーで好感が持てる。

 新車時、サスペンションが固いというのもネガティブな要素として挙げられていたが、アフターでいい社外サスペンションが入手できるし、エンジンのレブリミット、パワー、レスポンスなども、コンピュータチューンと吸排気系をいじれば、なかなか楽しい仕様になる。そんなZ33だが、中古車価格は急下降気味。平均価格は75万円といったところ。まだ下落傾向が続くかもしれないが、いいタマがあるうちにZ33オーナーになっておくのもいいのでは?


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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