一歩間違えると修羅場! 男女のクルマ選びで絶対守るべきこと5つ

クルマだからといって男性のエゴで選ぶのはNG

「使った後は下げといてよっ!」「なんでだよ、上げとけよ!」な〜んてトイレの便座問題に始まり、食べたいモノを我慢したり、インテリアの趣味で意見が割れたり、もともとは赤の他人同士が一緒になるって、ホント大変なことですよね。我が家なんて、カレーライスのカレーがどっち側にくるか、なんてことで揉めたりしてますからね。夫がどうしても右側がカレーじゃないとイヤだと言うので、渋々そうしましたけど。

 そんな風に、細かいことでもお互いに妥協しあって、夫婦というのは成り立っていくものなのでしょう。
思えばクルマというのは、その最たるものかもしれないですね。大きな買い物だし、生活に深くかかわってくるものだし、なかなか独身時代のように、自分ひとりで好き勝手に選ぶわけにはいかなくなってきます。

 我が家では過去に二度ほど、夫がとんでもないクルマを買いたいと言い出し、「買うか、離婚するか、どっちかにしな!」と啖呵を切った覚えがあります(笑)。まぁ、結局は買わなかったので無事に夫婦として続いていますが。そこで、夫婦それぞれの事情もあるかもしれませんが、2人でクルマを選ぶ際に「ここだけは注意してほしい、相手のことを思いやって、よく考えてほしい」というポイントを挙げてみたいと思います。

1)ボディカラー

 まず1つ目は、色です。とくに女性にとって、ボディカラーが好みか好みじゃないか、というのはかなり重要で、いくらデザインが気に入っていても、好みじゃないボディカラーのクルマは眼中に入らないほど。私は以前、ブルーのボディカラーが気に入って、とある新車を買いに行ったのですが、ディーラーのセールスマンに「その色は納期が遅くなるので、白にしませんか?」と言われてブチキレそうになったことがあります。「白だったら欲しくないんですけど」ってね。

 なので、車種は相談して決めたけど、色は自分の好みにしちゃった、なんてのは絶対にダメ。必ず奥様や彼女に色の相談をしてくださいね。もし気に入らない色を買っちゃったら、クルマに乗るたびにテンションが下がる、愛着がわかない、なんて事態にもなりかねませんよ。

2)車高

 続いて2つ目のポイントは、車高です。最近はSUVがトレントなので、高めのクルマが増えていますが、小柄な女性だとあまり高すぎるのは乗り降りが大変になっちゃうので、よじ登る感じにならない程度にとどめてほしいものです。女性はハイヒールやサンダルなどいろんな靴を履きますから、助手席から降りようとして足をくじいた、なんて目もあてられませんからね〜。

 とくに、男性が長身で女性が小柄、という身長差カップルは要注意です。でも、本当に注意すべきは高すぎることよりも、むしろ低すぎる車高なんです。なぜか男性に多い「腰痛持ち」さんには、車高が低いクルマの乗り降りはもはや命取り。ご主人や彼氏がギックリ腰経験者だったら、なおさら気遣ってあげてほしいところです。そして女性にとっても、スカートを履いて車高の低いクルマに乗り降りするのは気を使うもの。いったいどのくらいの低さまでなら妥協できるか、実際に試してみたほうがいいでしょう。

3)ドライビングポジション

 そして3つ目は、運転ポジションがきちんと取れないクルマ、ブカブカすぎるシート。これは絶対にダメです。とくに、ポッチャリさんとホッソリさんの体重差カップルは、しっかりとチェックして欲しいところ。ポッチャリさんに合わせてゆったりしすぎるシートを選ぶと、ホッソリさんは身体があまりホールドされず、いつもビミョウに動いてしまって、疲労感が増したり酔いやすくなったりするかもしれません。

 適正な運転ポジションが取れなくて死角が多かったり、操作系が使いにくかったりすると、運転に支障が出てぶつけやすかったり、車庫入れに苦労したり。いいことないですよね。シート調整機能がしっかり付いていれば、どちらの体型にも合わせることは可能なので、まずはそれが付いているかを確認してみましょう。

4)ドリンクホルダー

 さぁ、4つ目です。これは軽く考えている人が多い印象なのですが、ドリンクホルダーが使いやすいかどうか。昔はドリンクホルダーがないクルマというのもありましたが、その頃は運転中に何か飲もうとすると、ドライバーの分まで助手席の人が手に持っていなくてはならず、かなり不便だったものです。

 さすがに最近のクルマでそんなことはなくなりましたが、「使いにくい」ドリンクホルダーというのは存在します。とくに女性は運転ポジションがかなり前の位置になりますから、センターコンソールボックスの中などにドリンクホルダーがあると、完全に手を後ろに向かって伸ばす位置関係になってしまい、使いにくいったらないんですよ。

 また、プッシュして引き出すタイプに多いんですが、穴が空いているドリンクホルダーもあんまり使いやすくないですね。ドリンクホルダーといっても、飲み物を置きたい時だけじゃないんです。カギとかリップとかチケットとか、ちょっとした小物を置いておく時にも便利に使いたい。

 なので、スッポリとポケット形状になっているドリンクホルダーがいちばんですね。あとは、後席にもちゃんと付いているかどうかをチェックしてください。たかがドリンクホルダーって思うかもしれませんけど、子どもが生まれたらもっと使う機会が増えるので、決して軽く見ないようにお願いしますね〜。

5)安全装備

 そしてラスト5つ目は、もう常識になってきつつありますが、安全装備が手薄なクルマです。いや、もともと付いてないなら仕方ないんですが、同じ車種でもしっかりと安全装備が付いているグレードと付いていないグレードがありますよね。

 奥様の前で、決して「こっちでいいか」などと、付いてないグレードを選んだりしないでくださいね。言葉にはしなくても、「私たち家族のこと、大事じゃないんだね」って思われますよ。実際、友人カップルがまさにそれで、険悪な雰囲気になっちゃいまして。

 もうすぐ子どもが生まれるというので、クルマを買い換えようとしたんですが、オプションだった後席のエアバックをご主人が「高いからいらないよね」と軽く口にした途端、奥様がブチキレ。「アナタね、これから私は子どもと一緒にずっと後席に座るのよ! わかってるの?」と大げんかになったんだとか。その後、何日かは夕食にご主人の苦手なものばかり出されたそうで(笑)。ま、当然ですよね〜。皆様もどうぞ、お気をつけください。

 というわけで、夫婦やカップルにとってクルマというのは、これから2人でどういう人生を送っていきたいか、というのを表す鏡だと思うんです。だからどんなクルマがいいか、という前に、どんな毎日を過ごしたいかを話し合うのがいちばんいいかもしれないですね。その結果によって、自ずと選ぶクルマ像が見えてくるのだと思います。お互いに思いやりを持って、素敵なカーライフを送ってくださいね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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