元レーシングドライバーが本音で選ぶ「本当に走りのいい」ホットハッチ5選 (2/2ページ)

400万円オーバーのヴィッツも!

3)日産ジューク・ニスモ

 コンパクト・クロスオーバーとしてデビュー当初は大人気となったジューク。GT-Rのパワートレインを移植したモンスター・ジュークも登場したりしたが、今一番のお薦めはジューク・ニスモRSだ。

 ノート・ニスモ同様に、メーカー直系でなければできない「ツボ」をしっかり抑えたボディ補強。専用のエンジンおよびECUに、CVTながら8速のステップ比が刻まれたトランスミッションも与えられている。しかも4WD! それもニスモが専用にチューニングしたトルクベクトル付きで旋回性を確保しながらトラクションをかけられる優れた特性を持つ。

 走らせた感じはカチっとしたボディの剛性感が素晴らしく、タフなフィールと質感の高さを感じさせてくれる。専用設定のサスペンションに車速感応式電装パワーステアリングでロードホールディング、操舵感もスポーティでライントレース性の高さはスポーツカーそのものだ。

 225/45R18のスポーツタイヤをしっかりと履きこなしているのにも感心させられた。

4)トヨタ・ヴィッツGRMN

 車名はヴィッツだが国内では設定のない2ドアのハッチバックボディをもつ。これは欧州向け仕様のヤリスをベースにしていることの現れだ。

 パワーユニットには1.8リッターのスーパーチャージャーが装着され、こちらはロータス社に供給してチューニングされたものが逆採用されている。その詳細なレポートは「【ムービー】一瞬で180km/h到達のヴィッツGRMNを中谷明彦がテスト」を参考にしてもらいたいが、LSDを装着し旋回性を高めたハンドリングは超ハイレベル。

 プライスタグは400万円と超高価格だが、それに見合った性能が与えられている。

5)メルセデス-AMG A45

 メルセデス・ベンツのAセグメント・コンパクトカーであるAクラスをベースにメルセデス-AMGが作り上げたのがA45だ。

 2リッターの直噴直4ターボエンジンはデビュー当初から最高出力360馬力、最大トルク450N・mという高出力スペックで世界を驚かせたが、最新モデルでは381馬力、475N・mにまでパワーアップされており他の追従をまったく許さない。

 じつはこのA45は既にカタログラインアップから消え落ちているのだが、ベースのAクラスが2018年末にフルモデルチェンジを受けたのを受け、次期A45(呼称は不明だ)が再登場すると言われている。

 新型は2リッターターボで400馬力を超えるとも言われており、4輪駆動4マチックと相まってどんな走りを見せてくれるのか今から注目している。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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