使い勝手でセレクト! 売れ筋4ジャンルのナンバーワン使える国産車を決定 (1/2ページ)

コンパクトでありながら快適に車中泊ができるモデルも!

 使い勝手はクルマを選ぶうえで重要なポイント。そこで今回は各ジャンルごとにもっともユーティリティに優れると思うクルマを挙げてみた。

コンパクトカー部門NO.1:ホンダ・フィット

 純然たるコンパクトカーのなかで、パッケージ、ユーティリティにもっとも優れるのがフィット。ホンダ自慢のセンタータンクレイアウトによる低床パッケージによって、後席~ラゲッジスペースのアレンジは自在。

 特筆すべきはラゲッジスペースを拡大したときの使い勝手。後席は低く沈み込ませるように格納でき、そのときのスペースは最小フロア幅1010mm×フロア長1460mmに達する。しかもリヤドア部分の格納フロア地上高は560mmと、世界のステーションワゴンの平均値約630mmよりはるかに低く、重い荷物の出し入れや、ペットの乗降性も抜群。ペットをリヤドアから乗せ、格納した後席部分を廊下にして、ラゲッジスペースへ歩いていかせることも可能だ。

 ちなみにフィットのセダン版であるグレイスだと後席を低く格納できないが、フィットのワゴン版のシャトルであれば、フィット以上の使い勝手の良さがある。

スライドドアコンパクトカー部門NO.1:トヨタ・シエンタ FUNBASE

 シエンタの2列シートバージョン、シエンタ FUNBASEは極上の大容量コンパクトユーティリティーカーだ。扱いやすい5ナンバーサイズのコンパクトカーにして、低床で両側スライドドアを備え、後席の乗降性は子育てママからシニアまで快適そのもの。前席周りのポケッテリアも豊富で、ティッシュボックスなどを目立たずに置けるからスマート。

 そして、FUNBASEはシエンタの3列目席を取り払っただけのクルマではないことに注目したい。つまり、シートアレンジ性の違いから、後席のシート構造が異なり、かけ心地はFUNBASEのほうが圧倒的にいいのである。

 また、同種のホンダ・フリード+の後席背もたれが一体式なのに対して、シエンタ FUNBASEは中央のひじ掛け部分が前に倒れ、ラゲッジスペースとキャビンの間にすき間ができ、後席からラゲッジの荷物を取り出しやすく、さらにラゲッジに乗ったペットの快適度(エアコンの風が届きやすく、飼い主とのアイコンタクトも可能になる)でリードする。

 ラゲッジの使い勝手も優秀だ。ラゲッジフロア開口部地上高は5:5分割のデッキボードの汚れに強い樹脂面のローデッキ状態で530mm、カーペット敷きになるハイデッキ状態でも610mm。世界のステーションワゴンのラゲッジフロア地上高の平均値が約630mmだから、重い荷物の出し入れはもちろん、ペットの乗り降りも文句なしに快適、スムース。

 しかもデッキサイドにはユーティリティフックが用意され、ラゲッジスペースを上下2段に使え、また後席をフラットに格納し、専用のエアスリープマットを敷くことで車中泊も可能。決定的なのは、HVのGグレードを選べばAC100V/1500Wコンセントを付けることができ、1500Wまでの家電品を車内外で使え、アウトドアや災害時にも大活躍。

 室内、ラゲッジスペースの広さを含め、使い勝手の良さが際立つ1台である。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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