乗車定員だけで選ぶと後悔必至! クルマをフル乗車で使う人が見るべき本当のポイント6選 (2/2ページ)

居住性だけでなくトルクがしっかりあるかも要チェック!

4)後席エアコン吹き出し口は必須

 後席に3人も座ると、お互いの体温で、後席室内温度は急上昇。つまり、暑くなる、ムレムレする。そこで威力を発揮してくれるのが、後席エアコン吹き出し口。中上級車向けの装備で、さすがにコンパクトカーにはなかなかないが、ホンダ・グレイスには例外的に後席エアコン吹き出し口が備わる(後席シート幅は128.5cmだが)。

5)人数分の荷物が積めるか

 フル乗車するのは近所のお出掛けのみ、というならともかく、みんなでわいわい温泉に泊まりに行く、なんていう使い方の場合、5名分の宿泊荷物がラゲッジスペースに収まるかどうかも問題だ。

 コンパクトカーのトランクではさすがに無理。外観からは想像もできないほどラゲッジ/トランクスペースが広く使いやすいクルマがベター。たとえばトヨタ・カムリ、VWパサートなどは、欧米でタクシーに使われることも多い、トランク自慢のクルマだ。あるいは、ワゴンにするか。

 もっとも、それぞれが手一杯に荷物を持ち寄れば、多くのクルマ、たとえ大型ミニバンでも荷物をラゲッジ/トランクに収めることは難しい。事情を説明して、荷物はできるだけコンパクトにまとめてもらえばほぼ解決するはずだ。

6)フル乗車に対応する動力性能&乗り心地

 フル乗車したとき居住性にそれほど無理のないクルマでも、走り始めると話は別。1~3名程度の乗車で十分な動力性能と快適な乗り心地が得られたとしても、フル乗車した途端、加速が鈍くなり、高速走行での追い越し性能が不足し、坂道ではエンジンが息絶え絶えになり、さらに乗り心地もいきなり悪化する、というケースもありがちなのだ。

 フル乗車する機会が多いのなら、上記の項目はもちろん、動力性能、特にトルクがしっかりあるクルマを選びたいところ。だからといって、大排気量車を選ぶ必要はまったくない。1.8リッター程度でもモーターアシストのあるハイブリッドや、たった1.4リッターでもフォルクスワーゲンのターボエンジンのように、スペック以上の豊かなトルク、加速性能を発揮してくれるエンジンもあるのだ。

 乗り心地に関しては、ディーラーで試乗するときに、同行者に加え、セールスマンなどお店の人に協力してもらい、フル乗車での走行性能に加え、自身が後席に乗り換え、後席3人掛け時の居心地を確認したい。今回のテーマでは、この項目もかなり重要である。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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