日本でアメ車が売れないと怒るトランプ大統領! 一方でアメリカでの日本車は人気は? (2/2ページ)

日本メーカーはアメリカ国内生産を重視する

 こうして、いまでは米デトロイト3(GM、フォード、FCA)と互角の戦いをするようになった日本車だが、ここまでくるには紆余曲折があった。アメリカで日本車に注目が集まり始めたのは1970年代の前半だ。たとえば、スポーツカーでは高性能でスタイリッシュ、しかも価格がリーズナブルな日産フェアレディZが大人気。

 また、排気ガス規制の影響で6リッター級や7リッター級の大排気量エンジンのアメ車が死滅するなか、副燃焼室を用いた低燃費技術CVCCを引っ提げた初代ホンダ・シビックが爆発的に売れた。

 その後、80年代から90年代にかけては、ホンダ・シビック、トヨタ・カローラ、ホンダ・アコード、トヨタ・カムリ、日産アルティマなどC/Dセグメントセダンと呼ばれる中型車がアメリカ人にとっての定番となった。さらに、90年代後半から2000年代はSUVとクロスオーバー車でも日本車が人気を博すようになる。

 こうしたアメリカにおける日本車の歴史のなかで、日本メーカーとアメリカ政府および各州政府にって重要なことは、現地生産という考え方だ。地元住民を雇用し、地元部品メーカーから仕入れる地産地消を、日本メーカーは80年代から始め、いまではアメリカの日本メーカーはアメリカの会社として市民権を得ている。

 そんななか、トランプ政権はいう。「だったら、もっとアメリカの日本車工場を大きくして、もっと多くのアメリカ人を雇え」、と。こうした要望に対して、日本メーカーは政府と連携しながら”政治的判断”を下す。日米における自動車産業図式は、いまも昔もアメリカ主導で描かれているように思う。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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