やはり高齢者は事故率が高い? 1位の85歳以上に続くのは19歳以下という自動車事故の年代別割合と防止策 (2/2ページ)

高齢者はサポカーへの早期乗り換えが事故抑止に有効だ

 有効な手立てとしては、自動ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置などを搭載した「安全運転サポート車(サポカー)」の普及を急ぎ、高齢者には半ば強制的にそれらのクルマに乗り換えてもらうのがベストだろう。

 もちろん、費用的には大きな負担になるので、後付けの「急発進防止装置」「誤発進抑制装置」、あるいはWEB CARTOPでも紹介した「ワンペダル」などの開発・普及を推進し、導入に関し自治体などで補助金を出すことも積極的に検討していく時期だと思われる。

 また、死亡事故を起こした75歳以上の高齢運転者の認知機能検査の結果を見ると、約49%が、第1分類(認知症のおそれ)・第2分類(認知機能低下のおそれ)だったということも分かっている……。

 そのほか、全世代に言えるのは教習所を卒業後、ドライビングスキルを磨くプログラムやトレーニングする場がほとんど設けられていないというのも問題だ。各自の経験と素質に任せっぱなしでは、不幸な事故はなかなか減らせないのでは……。

 まず運転の基礎を確立し、基本を磨く。そのうえで、自分の実力を客観的に知ることが肝要だ。さらに、一定のスキルがあることを前提にしていえば、過緊張と油断・思い上がりが、失敗の原因であることが非常に多い。認知、判断、行動、反射といった運動能力が高い若者に事故が多いのは、経験不足もあるが緊張のし過ぎ、あるいは運転を舐めている、といった要因も大きいはず。

 一方、高齢者は、「今まで大丈夫だった」「ずっと事故は起こしていない」というのが、過信に繋がっているのは間違いない。若者は経験を積んで成長し、経験+実力でピークを迎え、その磨かれたスキルもやがて年齢とともに衰え、枯れていく。この誰もが避けられない事実を事実として認識することが、安全運転の要諦だといえるだろう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
趣味
-
好きな有名人
-

新着情報