いまや国民車と言える普及ぶりだがなぜ流行? 日本独自のミニバンブームはどこから始まったのか (2/2ページ)

各社の意欲的な挑戦がミニバンブームにつながる

 MPVは現在のミニバンとほぼ同じスタイル、コンセプトだが、ハッチバックから派生したミニバンに目を転じてみると、さらに歴史はさかのぼる。それが1982年に登場した三菱のシャリオと、その翌年に登場した日産プレーリーだ。とくに後者はスライドドアを採用しつつ、Bピラーレスという斬新なスタイルを採用。シートも回転対座が可能だったが、ミニバンという言葉はまだなく、新しいスタイルのセダンと呼んでいた。

 また個性派ミニバンのルーツとなるのが、天才たまごのキャッチフレーズで人気となったトヨタの初代エスティマだ。たまご型の丸みを帯びたスタイル、余裕の3列シート。そしてワゴン専用設計という、当時としては画期的で、どこをとっても新しいことばかりだった。エンジンも当初はS2と呼ばれる2ストロークを積む予定で、試作もしていたほど。最終的には環境問題で断念するが、当時のトヨタとしてはかなりの意欲作であったことがわかる。

 この初代エスティマも登場したのは1990年のこと。つまり今回紹介したすべてのミニバンが1990年までに登場しているのは、偶然ではないだろう。サイズ的にも限られてしまう日本の道路事情などを背景とした、新ジャンルへの意欲的な挑戦が大きな原動力となったと言え、それがRVブーム、そして1990年代半ばに起こったミニバンブームへとつながっていくことになる。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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