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時代の流れかハデさはないが秀作ぞろい! 平成15年生まれのクルマ6選 (2/2ページ)

時代の流れかハデさはないが秀作ぞろい! 平成15年生まれのクルマ6選

先代モデルのネガを潰した秀逸作が多数誕生

 5月1日から新しい元号「令和」がスタートし、31年の長きに渡って続いた平成の元号が終わった。31年間続いた平成という時代はバブル景気の絶頂期と崩壊、阪神大震災や東日本大震災といった大規模災害、長かった不景気など、激動の時代であった。

 激動だったのは日本車の大躍進や次々と変わったユーザーの志向の変化など、時代を映す鏡とも言われるクルマも同じだった。そこで平成の終わりを期に、平成を駆け抜けたインパクトあるクルマを良かったほう、悪かったほう含めて振り返ってみたいと思う。平成元年から1年刻みで展開してきた本企画もついに15回目、平成15年のクルマを紹介する。

■平成15年ってどんな年?

 4月にタワーマンション、ホテル(グランドハイアット東京)、その他の商業施設から構成される六本木ヒルズが開業。阪神タイガースが18年振りのリーグ優勝を果たし、流行語大賞では未だに目にすることがあるお笑いコンビ“テツandトモ”の「なんでだろう〜」が選ばれるなど、比較的明るい話題の多い年だった。

 しかしバイクレース業界では、4月に鈴鹿サーキットで行われたMotoGP(ロードレース世界選手権)開幕戦で日本人ライダーの加藤大治郎選手が意識不明となる大クラッシュに遭い、二週間後に亡くなるという悲しい事故もあった。

1)トヨタ・プリウス(2代目)

 初代モデルでハイブリッドカーというジャンルを切り開いたプリウスは、2代目モデルでハイブリッドカーの普及を目指すべく攻めたフルモデルチェンジを行った。

 ボディ形状は4ドアセダンから空気抵抗の低減とキャビンスペースの両立を狙った5ドアハッチバックとなり、インテリアもボタンと電子制御の小さなレバーを組み合わせたエレクトロシフトマチックやプッシュボタンスタートを採用するなど、当時のプリウスのポジションに相応しい未来的なものとなった。

 ハイブリッドシステムも高電圧化によるモーターのパワーアップなどにより、燃費と動力性能を同時に向上したTHS-IIに進化。発進や追い越し加速では2Lガソリンエンジン車と同等以上の瞬発力を確保した。

 プリウスは2代目モデルからコンスタントに売れるクルマとなった。とくにモデルサイクル後半の2006年あたりからはガソリン価格が上がり始めたこともあり、登場から時間が経つに連れて尻上がりに販売が伸びたという珍しいクルマだった。今になると3代目モデル以降プリウスが日本の国民車的存在になった基盤は、2代目プリウスが作ったことがよくわかる。

2)トヨタ・クラウン(12代目モデル)

 クラウンは11代目モデルあたりから歴史の長い高級車でよく挙がる、ユーザー層の高齢化という問題に直面していた。

 この問題を解決すべく12代目クラウンは新しいプラットホーム、新開発のV6エンジン&6速ATの採用、スポーティなアスリート系を強調したイメージ戦略など、ゼロクラウンというキャッチコピーに相応しい若返りを行った。

 この大改革は大成功を納め、12代目クラウンは景気なども考慮する必要もあるにせよ、近年もっとも売れたクラウンとなった。

3)ホンダ・オデッセイ(3代目)

 初代モデルのキープコンセプトとなった2代目モデルに飽きのようなものが感じられつつあったオデッセイ。3代目モデルでホンダお得意の低床低重心プラットホームを採用し、全高を一番低い立体駐車場にも入る1550mmに抑えた一見ステーションワゴンに見えるミニバンへと、姿をガラリと変えた。

 3代目オデッセイは低い全高ながらもシッカリ使える3列目を確保しながら、ステーションワゴン並みの高い走行性能も備えており、登場からしばらくは人気車となった。

 しかしモデルサイクル中盤以降となると、ミニバンのなかでもスライドドアを持つ全高の高いモデルに支持が移ったこともあり、人気が長続きしなかったのはちょっと残念だった。

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