奴田原選手は好タイムを記録するものの……悪天候に悩まされたパイクスピーク・ヒルクライム2019が終了 (1/2ページ)

2輪の記録更新目前に今年の優勝候補は転倒で帰らぬ人に

 アメリカ・コロラド州にあるパイクスピークを舞台に、1916年から開催されている「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(パイクスピーク)」、別名「雲へ向かうレース」の97回目の大会が現地時間6月30日(日)に開催された。

 標高2862mのスタート地点から、富士山の山頂より高い標高4302mのゴール頂上まで、全長20km、コーナー数156のコースをいかに速く駆け上がるかを競うこのレース。標高の高さのため、ゴールに近づくにつれて酸素が薄くなり、ゴール付近での内燃機関のエンジンの出力は約30%低下するといわれている。

 今回は、17の国から2輪4輪合わせ88名のエントリーを集めて開催された。その決勝レースは、早朝からの好天に恵まれたものの、ここ数年いつも悩まされていた午後からのヒョウや雷雨といった悪天候に今年も邪魔されてしまう。レース後半でコース短縮が宣言され、スタート地点から中間地点の「グレンコーブ」までの約8.8kmの競技区間に短縮。決勝に進んだ85台中、後半に出走する25台が頂上にたどり着くことはできなかったこととなる。

 ペースカーであるアキュラNSXが山頂に向かい、レースはスタートした。まずは2輪部門が出走をする。その決勝に進んだ27台による2輪の最終出走は、過去このパイクスピークで4勝を挙げているカーリン・ダン選手(#5 2019年式ドゥカティStreetfighter V4 プロトタイプ)であった。2012年に2輪で初めて10分の壁を破る9分52秒819の記録を作り、今年も各練習セッションおよび予選でトップタイムをマーク。そしてこの決勝でもスタートから好調で、セクター1、2、3とレコード更新ベースで走ってきて、頂上のゴール直前でまさかの転倒。そのまま崖下に転落し、すぐに救助されたものの搬送中に死亡が確認された。

 2輪トップは、レニー・スカイスブルック選手(#34 2018年式アプリリアTuono V4 1100/パイクスピーク・ヘビーウェイト・クラス)の、9分44秒963となった。


新着情報