カローラマニアが北米ドライブに燃費で劣る日産アルティマを選んだ「アメリカならでは」の理由とは? (2/2ページ)

レンタカーの決め手は燃料タンク容量

 市内をぐるぐるまわるだけではないので、レンタカーの車種選びも慎重になってくる。筆者は利用するレンタカー会社の会員になっており、指定された駐車エリアに停まっているリクエストしたボディタイプのクルマのなかからお気に入りを選んで乗ることができる。しかも無料アップグレードも可能なプランを使うので、今回もカローラクラスでリクエストしたが、カムリクラスも乗ることが可能となっていた。

 今回クルマを選ぶときに2020年型、つまり筆者所有と同型のカローラがあったのだが、あえて2019年型日産アルティマを選んだ。今年3月に下ろされたのだが、走行距離が約1.3万マイル(約2万km)と少なく程度が良かったので決めた。燃費(以下ここではハイウェイモードで比較)はカローラのほうがいいのだが、燃料タンク容量はリッター換算でアルティマのほうが約18リットル多い。そのためカタログ数値で比較すると概算航続距離ではアルティマのほうが30km伸びることとなる。アメリカでカムリやアコード、そしてアルティマクラスがよく売れるのは、そこそこの燃費の良さとタンク容量のバランスがとれていることにあるようだ。これは街なかで日常の移動手段として使っていても給油頻度がカローラクラスよりは少なく済むともいえる。

 筆者は以前、日産セントラ(カローラクラス)でデスバレーまで行ったことがある。州間高速道路(インターステート)15号線の“ベイカー”というところで降りてすぐに満タンにして、デスバレーをまわって再びベイカーに戻ってきたときにはタンクは空っぽに近かった。アメリカ車は排気量が大きい(最近は昔ほどではないけど)し、ボディサイズも大きいとはよく言われるが、それには客観的な理由もしっかりあり、単にぜいたくをしているというわけでもないのである。

 筆者は過去にもクルマで、ロサンゼルスからラスベガスまでよく出かけていたのだが、昔のアメリカンブランドの3000㏄V6ぐらいでは中間地点ぐらいで燃料計の針が真ん中になってしまうこともしばしばで不安症の筆者は途中で給油していたが、いまどきはカムリクラスならば、途中給油なしでもなんなくたどり着いてしまう。

 しかし、それは沿線にガソリンスタンドが目立つ、幹線道路となる、インターステート15号線を使っての話。筆者が好んで使う“砂漠の一本道”では、オアシスともいうべき途中の町で、“燃料計の針がまだ少し減っただけだから大丈夫”などと見切り発車してしまうと、ガス欠は滅多にないとしても、燃料の減りが気になりドライブに余裕がなくなってしまう。

 そのためカローラには大変興味があったのだが、乗ったこともなかったので、今回はアルティマを選んだのである。しかもアルティマはカムリよりタンク容量が2.1ガロン多いので、計算上ではアルティマのほうが1タンクで53km余計に走ることができるのである。以前2代前のアルティマを運転した時に、感覚的に“このクルマはタンク容量が多めだな”と感じたので、以後アルティマに好んで乗っていたことがある。

 筆者が日本でクルマを運転するときに燃費は多少気にするが、タンク容量などを気にすることはまずないのだが、アメリカでは自分の使い方からいくと、燃費性能以外にも、タンク容量を気にして、排気量も大きめでそこそこ快適であり、しかもどれだけの航続距離があるのかも考えて車種選びをするようにしている。そうなると行きつく先はカムリクラスとなるのである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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