自動車史上最高の変顔? じつは今のミニバンの魅力を先取りしていたフィアット・ムルティプラとは

自動車史上最高の変顔? じつは今のミニバンの魅力を先取りしていたフィアット・ムルティプラとは

ネックだったのは見た目よりもMTのみの設定か……

 輸入車の魅力といえば、国産車にはない個性を挙げる人が多いだろう。それは乗り味だったり、見た目だったりとそのポイントはさまざまだろうが、確かに国産車にはないものを持っている輸入車は少なくない。しかし、その個性が強烈すぎると残念ながらそれがプラスに作用しないこともある。

 そんな個性のカタマリの代表格とも言えるのが、1998年に登場したフィアット・ムルティプラではないだろうか。ムルティプラのネーミングは1950年代に登場した3列シートを備えたフィアット600の派生車種に使われていたもので、今回紹介するモデルは2代目となる。ムルティプラ

 そんな2代目ムルティプラの最大の特徴といえば、やはりそのルックスだろう。“ヘッドライトはフロントマスクにあるもの”という固定観念を打ち砕き、なんとハイビーム用ランプをAピラーの根本に装着したのである。その結果、丸みのあるデザインとも相まって、なんとも言えないスタイルを実現。だが多くのユーザーから受け入れがたいという評価を受けてしまったのだ。ムルティプラ

 しかしその実、クルマとしてのパッケージングは悪くなく、ここ数年の国産車のトレンドとも言える全高を高めて室内空間を確保するボディスタイルや、乗り心地にも有利なロングホイールベースを持っていた。室内空間に目を移しても、2列3人乗りとなる6脚のシートはすべて独立。脱着も可能となっているため、大きな荷物を運ぶときなどは不要なシートを取り外し、広大なスペースを実現できるなど、車名の「Multipla」が示すように多様な使い方にも対応できる優れたクルマだったのである。ムルティプラ

 なお、あまりにフロントマスクのデザインについて不評だったのか、2004年のマイナーチェンジで当時の他のフィアット車と同じような一般的なフロントマスクに変更されている。ただ、日本国内において販売面で苦戦したのは、奇抜なエクステリアだけでなく、MTのみというトランスミッションの設定だったのかもしれない。ムルティプラ

画像ギャラリー