エンジンに「紙のパーツ」が普通に使われている! クルマの「ガスケット」って何? (2/2ページ)

紙やメタルなど用途に応じて素材が異なる

 スカイラインGT-Rのエンジン、RB26DETTの純正インマニガスケットは紙製で、経年劣化で損傷し、そこから二次エアを吸ってアイドリングが不調になるのはけっこう定番のトラブル。マフラー系のガスケットが抜けると、排気漏れを起こし、排気音が大きくなることも。エンジンのヘッドガスケットが抜けると、冷却水が漏れてマフラーから白煙を吹いたり、圧縮が落ちてパワーダウンしたり、オイルに水分が混じって乳化したりと大事に……。

 もっとも、かつてはオーバーヒートで、ヘッドガスケットが抜けることも珍しくなかったが、最近のクルマでは、優秀な設計と品質の向上などにより、下手なチューニングなどをしない限り、ヘッドガスケットが抜けるようなトラブルは聞かなくなった。

 ちなみにガスケットには、圧力・温度の高い箇所のシールに使うメタルガスケットの他、上記の紙ガスケット、カムカバーやオイルポンプ、オイルパンの装着などのときに使う液体ガスケット(液体パッキン)があり、ドレンワッシャー、シールテープなどもガスケットの一種ともいえる。用途に応じて素材が違うので、一概にメタルガスケットがよくて、紙ガスケットはダメというようなことはない。

 また、メーカーによってもガスケットに対する考え方には違いがあり、たとえばホンダの純正ヘッドガスケットは、アルミブロック+鋳鉄シリンダーライナーが鋳鉄という構造に合わせ、ガスケットも内側と外側で厚さの異なる板を中央で溶接といった手の込んだ優れたガスケットを採用している。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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