クルマの「生産」「機能」「所有方法」すべての変化がコロナ禍で加速! 「選択と集中」で未来はどうなる? (2/2ページ)

先行き不透明な時代で本当に需要は回復するのか?

 自動車メーカー各社は今期の通期見通しで、期末頃となる2021年前半には市場は回復するとみている。

 おもな要因は、世界最大の自動車市場である中国で経済活動が正常化してきたことを挙げている。アメリカについては新型コロナ第二波が押し寄せてきており、市場動向を注視する必要がある。欧州では国や地域で経済活動の再開のペースが違う。そして日本は、非常事態宣言解除後は、陽性者数が増加傾向にある7月以降も新型車の売り上げは順調に推移している状況だ。

 このように、市場での需要があれば、生産は継続されていく。ただし、三菱や日産の事例にあるように、新型コロナをひとつのきっかけとして、これまで着手が難しかった事業の「選択と集中」はコロナ後も続くと見るべきだろう。自動車産業は、自動運転、電動化、通信によるコネクティビティ、そしてシェアリングなど新たなるサービス事業など、新しい時代変化の大波の中を航行しており、さまざまな分野で「選択と集中」がさらに進むことになる。

 そのなかで、社会におけるクルマの在り方、人とクルマとの関係性が徐々にだが変わっていく可能性がある。需要が変われば、生産体制も変らざるを得ない。今後の市場動向をしっかり見ていく必要がある。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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