「全部載せ」と「使い勝手大賞」感半端ない! 歴代を振り返ると「エクストレイル」が改めて買いだった (2/2ページ)

2代目のダブルラゲッジの使い勝手は感動モノ!

 2代目では防水シートを全車標準とし、スクラッチシールドをボディカラー全色に標準化するとともに、使えばその便利さに大感動できる、フルフラットな防水ラゲッジボードの下を引き出し式アンダートレイとしたダブルラゲッジをオプションで採用。

 ラゲッジルームの寸法は、ホイールハウス間の幅1100mm、後席使用時の奥行1088mm、高さ1012mmと広大で使いやすさ抜群だったのだが、ダブルラゲッジとすることで高さは884mmになるものの、転がりやすいもの、汚れものの収納に便利で、奥の荷物もトレーをスルスルと引き出すことで取り出しやすいアイデア、便利さがあったのだ。今でも、この機能が欲しくて2代目エクストレイルの中古車を探しているユーザーもいるぐらいなのである。

 2代目エクストレイルでは、センターデフを持たない一般的なスタンバイ式4WDのオールモード4×4-i、進化したハイパールーフレールなどの採用、コモンレール式ディーゼルエンジンを搭載した「20GT」(6速MTのみ)の追加などもニュースだが、元々のエクストレイルのコンセプト、ターゲットユーザーからすると、ダブルラゲッジは文句なしの”使い勝手大賞”的装備だったと断言したい。

 さて、2013年デビューの現行型の3代目エクストレイルはどうか。時はすでにスキー&スノボブームは落ち着き、初代にあった画期的SURF& SNOW向けの装備は影を潜めた印象だ。むしろ、ハイブリッドモデル、走行性能(アクティブライドコントロール、アクティブエンジンブレーキなど)、初代から定評があった走破性、そして時代の要請に応えた先進運転支援機能(プロパイロット含む/2017年~)の進化、充実に力がそそがれている。

 とはいえ、エクストレイルはエクストレイル。インテリアでは防水仕様のシート、ラゲッジを継承しながら、新たにラゲッジの間仕切りができる防水ラゲッジボードを採用したほか、長時間の着座でも疲れにくい、無重力空間をヒントにしたという背もたれの中折れ機構を取り入れたスパイナルサポートシートを新採用。装備の高級化に合わせ、ハンズフリー機能&挟み込み防止機構付のリモコンオートバックドアの採用も使い勝手面での進化となる。

 また、今年、2020年にはミリ波レーダーを用い、夜間の衝突軽減ブレーキやプロパイロットの性能を向上させるとともに、静音タイヤを用意するなど、ポップアップステアリングやダブルラゲッジなどはもはやないものの、新型クロスオーバーSUVのキックスが話題をさらっている今でも、アウトドアスポーツ、アウトドアライフを趣味とするユーザーに根強い人気を誇り、進化し続けているのがエクストレイルなのである。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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