まもなく生産終了の86&BRZ! 世界的に稀少な日本発の「小型FRスポーツ」の海外評とは? (2/2ページ)

主戦場アメリカでは着実にファン増やす

86」の製品企画担当者である多田哲哉氏は、アメリカ駐在時代にロータリーエンジン搭載車でローカルレースに出るなど、「アメリカ」や「レーシーな走り」に理解が深い人物である。

 北米向け「86」は、北米トヨタによる独自のサイオンブランドから発売され、モデル名称は「FR-S」とし、順調に販売数を伸ばした。

「FR-S」がアメリカ人に受け入れた背景には、90年代末から2000年代初頭に全米で爆発的なブームとなった、日系改造車のトレンドがある。映画「ワイルドスピード」の初作や第二作で描かれた若者カルチャーである。

 こうした極度のブームが去った後でも、日系小型2ドアスポーツカーに対するアメリカ市場からの要望は着実に存在した。「FR-S」でも、ライトチューニングからビックタービン搭載までアフターマーケットをけん引した。

 その後、2016年にサイオンが13年間の短い歴史の幕を下ろすと、「FR-S」は日本同様にトヨタ「86」として販売が継続された。

 こうした北米での「FR-S」「86」、さらに「BRZ」について、多田氏はアメリカ現地でユーザーの声を丁寧に拾っていた。

 そうしたなかで「86のさらに上のモデルが欲しい」という声が挙がり始めた。

 それが具現化したのは、BMWと協業した「スープラ」である。

 いろいろな意味で、「86」はアメリカ人に愛され、そしてトヨタの新世代スポーツカー市場の礎となったといえるだろう。


桃田健史 MOMOTA KENJI

-

愛車
トヨタ・ハイエースキャンパーアルトピア―ノ等
趣味
動物たちとのふれあい
好きな有名人
聖徳太子(多くの人の声を同時にしっかり聞くという伝説があるので)

新着情報