「大きくなるほど高い」けれど「軽自動車とバイクが同じ」? 高速道路料金設定の謎 (2/2ページ)

将来は電動車の区分が設けられるかも……

 ここでちょっと気になるのは、「軽自動車等」に二輪自動車が含まれていることだ。その疑問については、中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)のホームページには、次のような記載がある。その一部を紹介する。

「二輪自動車と軽自動車では、車両の大きさ・重量・乗車可能人員にある程度の違いはありますが、どちらも走行に1車線を必要とし、法定の最高速度は100km/hであるなど、(1)原因者負担の考え方、(2)占有者負担の考え方、(3)受益者負担の考え方を総合的に勘案する……」。

 こうした考え方をもとに、二輪自動車は軽自動車と「同じ区分」とされているという。道路の空間をどれだけ使うのか、重量によって道路にどれだけの負担があるのか、といった想定だと考えられる。

 こうした考えは、海外でも基本的には同じだと思う。海外事例で多いのは、大型トレーラーでは車軸の数で料金が違う場合もある。また、アメリカでは、1950年代以降に全国に拡張したフリーウェイ構想で、高速道路の建設や補修は各州政府の予算で賄われてきた。ただし、1990年代以降は各州の都市圏で5.8GHz周波数帯域を使う自動料金システムの設置が増えてきている。

 そのアメリカでは「カープールレーン」と呼ばれる、複数人乗車の場合の優先道路を、EVなど環境対応車ではひとり乗車で通行できる場合がある。

 こうした海外での状況を鑑みると……。昨今、社会全体におけるカーボンニュートラル(CO2排出量の実質ゼロ)の議論が高まるなか、将来的にはEVや燃料電池車など普及促進の一環として、高速道路の料金における車両区分に「電動車」が加わる可能性も否定できないだろう。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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