「CO2削減」「電動化」が叫ばれる時代なのに欧州車が「激速モデル」を揃えるワケ (2/2ページ)

ラインアップ拡大の理由は「需要があるから」

 MやAMGがここまで拡張できた背景には、世界各国や地域での”確実な需要”がある。販売店やユーザーから、各モデルで高性能モデルを求める声があり、実際に販売実績を挙げているのだ。レースフィールドを起点とした、ハイパフォーマンスブランドとしてのヘリテージ(歴史)に対して、ユーザーの所有欲が駆り立てられる。

 とはいえ、これからは環境規制が世界各地で厳しさを増していく。そのなかで、ドイツ車を主体とする欧州系ハイパフォーマンスではふたつの流れが生まれている。それは、エンジン排気量のダウンサイジングと電動化の併用だ。

 例えば、メルセデス・ベンツのEQ戦略では、V8からV6ハイブリッドへ。また、48Vマイルドハイブリッドと電動ターボの連携を推進する。こうした流れとAMGの開発を同時進行させながら、どこかのタイミングでAMGとEQが融合していくのかもしれない。

 日系メーカーでは、レクサスが今後、Fブランド戦略を再構築していくなかで、電動化とハイパフォーマンス系との兼ね合いを探ることになろうだろう。その上でポイントとなるのは、ドイツ系メーカーが得意とするような、ユーザー側から「欲しい」と思ってもらうための総合的なハイパフォーマンス系ブランド戦略の進め方である。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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