モーター駆動の「電気自動車」にも「慣らし」運転は必要か?

モーター駆動の「電気自動車」にも「慣らし」運転は必要か?

クルマは馴染ませることでより長持ちするようになる

 エンジンは、慣らし運転が必要といわれる。その理由は、シリンダーとピストンのように直接触れる摺動部があるからで、もちろん潤滑油によって保護はされているが、ある程度の回転で回し馴染ませるとよい。

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 一方、モーターの内部は、ローター(回転体)とステーター(固定子)が直接触れることはない。回転力は磁力によって促されるからだ。そこで、基本的には慣らしは必要ないといえる。ただし、駆動力を取り出す軸は、軸受けで支えられているので、じつは摺動部がないとはいえない。ただそこは、ベアリングなど滑らかに回転させる機能を備えるので、現実的には慣らしをしなくても機能させることはできる。

 電気自動車(EV)という一台のクルマを考えた場合には、サスペンションやタイヤなどはエンジン車と同じなので、ダンパーやトレッド(接地面)の馴染みなどはある程度つけたほうが、乗り心地がよくなったり、グリップが的確になったりすることはあるだろう。

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 家庭電化製品など多くの電気機器は、新品を購入してすぐ普通に使って差し支えない場合が多い。しかし機械部品の集合体であるクルマの場合は、動きを伴う部分を馴染ませることでより快適に、かつ長持ちさせることにつながる。

 そこは動物などとの付き合いに通じるかもしれない。動物と仲良く暮らすには、やはり躾などの作法を覚えさせる時間が必要だ。それが機械でいう、馴染ませるということではないだろうか。ただし、時間や手間がかかることなので、面倒だといえばそうかもしれない。それでも手間をかけ、互いに意思疎通ができるようになることで愛着も増すだろう。しかし家庭電化製品のように簡単にすぐ利用したいというのであれば、ロボット犬などを選ぶことも手段の一つだ。

 動物とクルマの付き合いの境目といえるのが、乗馬ではないか。馬は、調教しなければ人が乗ることはできない。クルマの慣らしよりもっと手間がかかる。そのうえ、生き物だから体調や気分もあるので、調教の済んだ馬でもその日によって動きや応答が変わってくる。乗馬のコツは、馬をいかに機嫌よく促すかという、思いやりに掛かっている。

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 クルマも、じつはエンジンの回り方や、タイヤのグリップの様子などに気を配りながら、無理なく、それでいて最高の性能を発揮できるよう促すような運転が、上手な操作ではないだろうか。

 慣らしをしないで済む方がいいというのは、多くの人の共通の思いだろう。そのうえで、愛着を持って接したいと思うならば、どのような車種であってもクルマの調子をみながら運転することが、より楽しみを拡充でき、かつ安全運転にもつながるのではないか。

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