便利すぎるがゆえのワナ! 頼りっきりは「危険」なクルマの先進装備5つ (1/2ページ)

ON/OFFの切り替えを忘れがちな機能も

 日進月歩でどんどん進化していくクルマの技術。シートヒーターやスマホとの連携は当たり前になりつつあり、ドアの開け閉めなど、少し前まで手動で行っていた操作が自動になったり、便利さ・快適さをアップする機能はひと昔前に比べてもかなり増えましたよね。

 そしてとくに驚くのは、夢の自動運転の世界が実現に近づいていることを実感できる、運転支援技術の数々。これも、高額なクルマだけでなく、すでに軽自動車にも搭載されているほどです。どの機能も、一度使ったらその便利さ・ラクさに慣れ、手放せなくなってしまうものなのですが、なかにはその機能に頼りすぎてしまうあまり、かえって危険を招いていたり、ヒヤリとすることがあったり。今回はそんな、頼りすぎて危険を犯しがちな装備をピックアップしたいと思います。

1)オートライト

 1つ目は、2020年4月より新型車には装着が義務化されました、「オートライト」。継続車種についても2021年10月から乗用車の義務化が決まっています。オートライトは、車両が周囲の明るさを感知して、夜間はもちろんトンネルの中など暗い場所では自動でライトが点灯するという機能です。日没後に無灯火で走行することは道路交通法違反ですが、周囲が明るい街中などではドライバーが暗さに気づきにくく、うっかり忘れてしまうことも。また、トンネルなどでいちいち点灯と消灯を繰り返すのが面倒だからと、ライトをつけないドライバーもいます。でも、車両のライトはドライバーから周囲を見えやすくするだけでなく、他の車両や歩行者、自転車などに、「ここにクルマがいますよ」と認知させる役目も果たしているので、無灯火で走られるとすごく危険だし、周囲の人たちにも迷惑なのです。

 そんな無灯火車両をなくすためにオートライトが義務化されたわけですが、そうすると今度は、「点灯しているつもり」でしていないドライバーが増加。というのも、たとえば夫婦二人で1台のクルマを使っている場合に、夫はいつもオートライトのままにしているのに、たまに奥さんが運転して降りる時にライトを「オフ」の位置に合わせ、次に夫が乗った時にそれに気づかず、当然オートライトになっているだろうと思い込んだまま、運転しているというケースがあるのです。最近は、わざわざ「オフ」の設定を設けず、「AUTO」と常時点灯のみの設定になっているオートライトが定番ですが、やはり運転する際には最初にライトの設定を確認することが大切だと思います。

2)オートブレーキホールド

 次に、こちらもどんどん搭載車種が増えている「オートブレーキホールド」。ひと昔前は欧州車に搭載されていることが多いイメージでしたが、最近は国産車もサイドブレーキの電子制御化にともなって、軽自動車にまで搭載が進んでいます。これを作動させておくと、赤信号などで停車中にずっとブレーキペダルを踏み続ける必要がなく、足をペダルから離していても停車していてくれて、発進の際はアクセルペダルを踏めば自動でブレーキ解除になるというもの。運転の疲れを軽減してくれる機能です。

 ただ、こちらも毎回使って慣れてしまうと、たまたまスイッチを押し忘れていた時がとても危険。いつものように赤信号で止まってすぐにペダルから足を離してしまい、前のクルマに追突! なんて事態になりかねません。国産車の多くはオートブレーキホールドの作動はスイッチで行う車種が多いのですが、欧州車などでは停車した際にブレーキペダルをさらに奥深くまでグッと踏むことで、オートブレーキホールドが作動するという車種もあり、強く踏んだつもりが作動していなかった、という場合もありますので注意が必要です。また、エンジンを切ると自動的にオフになる場合や、前回乗った際の設定を引き継ぐ場合など、車種によって違うので確認するようにしましょう。発進する前には、スイッチがオンになっているかどうか、しっかり把握しておくと間違いないですね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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