【試乗】スタイリングだけじゃない! 新型ホンダ・ヴェゼルの熟成したHVシステムの走りに納得 (1/2ページ)

クーペ的なスタイリングはカッコいいが少々ルーフが低く……

 フルモデルチェンジを受けた新型ヴェゼルに試乗した。試乗車はホンダが進める電動化モデルの基幹技術となるe:HEV(イーエイチブイと読む)をパワートレインに搭載したFF(前輪駆動)モデルだ。シリーズにはFFガソリンモデルや、ガソリンAWDモデルと駆動メカニズムを共有するe:HEVのAWD仕様も用意されているが、今回は残念ながら試乗機会に恵まれなかった。

 新型ヴェゼルの外観的な特徴は、完全にリデザインされて生まれ変わったスタイリングにある。流行のSUVクーペスタイルを取り入れ、水平基調のフロントデザインやサイドフォルムからスピード感に溢れる流麗なイメージとなった。

 最低地上高は10mm高められ195mmとなったが、ルーフ高さ(車高)は15mm低い1590mmとなったことでスマートかつスタイリッシュな印象に生まれ変わった。写真で見た当初は「どこかのクルマに似ている」ような印象を持ったが、実車を見ると個性的な外観であることがわかる。

 運転席に着座すると、クラスを超えた格上の質感とデザイン的な幅広さを感じさせられ、ミディアムサイズのSUVに匹敵するようなサイズ感を得られる。装備面も充実され、ホンダ・センシングの最新機能や、進化したホンダ・コネクトも搭載し、ユーティリティを充実させているのだ。

 気になるのはルーフが低くなったことでヘッドクリアランスが予想以上に余裕が無くなっていたこと。身長170cmの筆者にとっても、やや頭上に窮屈な印象を覚えた。従来のヴェゼルはコンパクトなボディサイズでありながら、予測を超える室内スペースやラゲッジスペースなどが美点だったが、新型はややスタイリングコンシャスに振られたかのようだ。

 一方、後席は足もとスペースが広まり、リヤシートバックの角度が27度に設定されるなど格段に居心地が良くなった。従来モデルは2段階のリクライニング機構を後席に備えていたが、新型はリクライニング機構こそ省かれたものの背もたれ角度は従来リクライニング使用時の25度より寝かせられ、27度となっていてゆったりと座れるのだ。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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