日本のセダン衰退はボディ拡大も要因! 国内で5ナンバーは残留組の「カローラ・アクシオ」のみ (2/2ページ)

3ナンバー車として開発する方お金と手間がかからない

 東南アジア諸国でもSUV人気が高まっている。ただし、政策的に税金の高いインドネシアを除けば、もともとセダンが大好きな国ばかり。いまでも重要カテゴリーとして日系ビッグ3ではモデルチェンジを行うなどして、コンパクトセダンもラインアップを続けている。もはや「日本製を」というつもりはないので、タイなどで生産したこれらのモデルを導入してみてはどうかと言いたいところだが、実際国内で正規販売、しかも少量販売前提とすると、価格に割高感が見えてしまったりして結局たいして売れなかったということになるので、軽々しく日本でも売ってほしいというべきではないともよく言われる。

 3ナンバー化は衝突安全性能の向上などのために進んでいったとされている。以前、某メーカーのエンジニアに話を聞いていた時、「いまどきは5ナンバーサイズのクルマを開発するほうが、限られたサイズに必要なものを詰め込むので、お金と手間がかかるのです。一定サイズの3ナンバー車として開発するほうがはるかに安く済みます」と話してくれた。

 セダン販売で健闘しているトヨタでも、継続販売されているアクシオを除けば、カローラセダンが最小セダンとはいえ3ナンバーサイズとなっている。グローバルモデルより全長を詰め、全幅も狭めているとはいえ、なかなか立派なクルマとなった。ただアクシオセダンを併売扱いで残したものの、3ナンバーとなったセダンがステーションワゴンのツーリングとともに、法人ニーズ(つまり営業車)などでも意外とスンナリ使われるようになっており、いまどき5ナンバーだ3ナンバーだといっているのは、“オジさんの証”になってしまっているのかもしれない。

 運転免許証の自主返納が進むいまどきであるが、まだまだ日本でセダンが元気だったころを知っており、自分もセダン好きというドライバーも多いはず。本当はセダンに乗りたいのだが、選択肢がなくハッチバック車を選ぶというケースもあるようだ。国内でコンパクトセダンのニーズは極めて限定的なのは確か。ただ“ファーストペンギン”として、少量販売でトライして可能性を探ってくれるメーカーが出てこないかなあ、と筆者は個人的には期待している。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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