ヤリスよりも狙い目は「つまづき気味」のアクア! 7月の新車販売台数に見る「好調車」と「不調車」 (2/2ページ)

カローラシリーズは5位となったが今後順位をあげるだろう

 現状では展示車と試乗車、合わせて2台置いているディーラー店舗も珍しくないほど納期も余裕があり、よく売れているアルファードは短期間で実績反映できるだけではなく、高収益車種なのでセールスマンもついつい売ってしまうし、買う側としても圧倒的なリセールバリューの高さから、残価設定ローンを組めば、ノア系の月々の支払い額に数千円上乗せするだけで買えてしまうし、下取り査定額もハンパなく良いというメリットはかなりの魅力となるので、とにかく売りやすいクルマとなっている。

 カローラはシリーズでの月販目標台数を200台弱割り込んではいるものの、5位となっている。9月14日予定でカローラクロスがいよいよ正式デビューする。販売実績は自販連統計上では、カローラシリーズに合算されるので、本格的に台数に反映される2021年10月単月以降は、カローラとしてルーミーを抜き去り、N-BOXにプレッシャーを与える存在になるかもしれない。

 ヴェゼルが月販目標台数を3500台ほどオーバーする、7573台で10位に入っている。新型がフルカウントとなる、5月から7月までの累計販売台数は1万7325台となり、月販平均台数は5775台となっている。正式発売時点で最上級のPLaYの納車待ちが1年となっていたので、しばらくはバックオーダーを抱えたまま、新規受注を追いかけることになるだろう。

 今後も好調な実績を残していくためには、継続的に多くの新規受注を取っていく必要があるのだが、前述したように、9月14日にカローラロスがデビュー予定となっているので、けっして順風満帆というわけにもいかないようである。

 含軽統計において、上位10車中5車、登録車だけでは8車がランクインしているトヨタ。もはや“トヨタ一強”は当たり前となってしまっているようにも見える。

 残価設定ローンの普及により、なんでも装備がついている最上級グレードがよく売れるようになり(車両本体価ベースで最終支払い分となる残価相当据置き額が決まる。オプションは対象とならない)、商談で“リセールバリュー”についてのやりとりも当たり前となっているのが新車販売の現状。人気のSUVでは緻密なラインアップを構築する一方で、ファイナンスや、自社系中古車オークションの充実なども魅力的なことも、一強をより顕在化しているといえよう。

2021年7月新車販売台数ランキングTOP30(含軽)

1位:トヨタ・ヤリス(23200台)
2位:ホンダN-BOX(16992台)
3位:トヨタ・ルーミー(14807台)
4位:スズキ・スペーシア(10983台)
5位:トヨタ・カローラ(9242台)
6位:ダイハツ・ムーヴ(8979台)
7位:トヨタ・アルファード(8964台)
8位:トヨタ・アクア(7902台)
9位:ダイハツ・タント(7895台)
10位:ホンダ・ヴェゼル(7573台)
11位:トヨタ・ライズ(7530台)
12位:トヨタ・ハリアー(6780台)
13位:日産ノート(6657台)
14位:トヨタ・ヴォクシー(6372台)
15位:ホンダ・フリード(6005台)
16位:ダイハツ・ミラ(5938台)
17位:スズキ・ハスラー(5635台)
18位:ダイハツ・タフト(5552台)
19位:日産セレナ(5329台)
20位:ホンダ・フィット(5300台)
21位:トヨタRAV4(5079台)
22位:トヨタ・プリウス(4637台)
23位:トヨタ・ノア(4367台)
24位:スズキ・アルト(4267台)
25位:トヨタ・シエンタ(4206台)
26位:日産ルークス(3868台)
27位:スズキ・ソリオ(3743台)
28位:ホンダN-WGN(3707台)
29位:日産デイズ(3085台)
30位:トヨタ・パッソ(3058台)


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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