大型トラックの右側車線走行を「マナー違反」と決めつけるのは早計! 右側じゃなきゃ「いけない」&「推奨」のケースとは  (2/2ページ)

幹線道路などでは右側の車線を大型通行帯としているケースも

 いずれにしても、大型貨物自動車等通行帯の標識が出ている3車線の道路においては、大型貨物車は、事故・工事・道路損壊等の理由による場合以外は、第3通行帯は走行できない。第3通行帯を走ると、通行帯違反となってしまうのだ。

 逆にいうと「大型貨物自動車等通行帯」の標識が出ていない道路であれば、大型トラックがどの車線を走っていても、すぐさま違反だとはいえない。もちろん、追い越し車線(第3通行帯)を延々と走る行為は、大型貨物車に限らず、乗用車であっても違反行為になるが、大型貨物車だから違反になるとはいえないのだ。

 また、どんな道でも大型貨物車は第3車線を走ってはいけないと考えてしまうのも早計だ。

 都心部の幹線道路などでは、「大型貨物自動車等通行帯」の標識によって中央分離帯よりの車線を大型通行帯として指定しているケースもあるからだ。

 これは歩行者や道路沿いの住居から大型貨物車を少しでも離すことで、騒音や排ガスによって沿道の環境を悪化させることを防ぐためだ。

 また、第1通行帯を「環境レーン」と位置づけ、大型貨物車は第2・第3通行帯を走るような配慮を求めるキャンペーンを実施している地方自治体もあったりする。車線を変える程度で、排ガスの排出量が変わるとは思えないが、騒音については距離が離れるだけで減衰することが期待できるため、住民の生活環境を守るのに有効なのであろう。

 いずれにしても、高速道路ではキープレフト、一般道ではキープライトというのが大型貨物車の適切な走行車線として求められている。一般ドライバーには直接的には関係ないが、大型貨物車のそうした基本を知っておけば、よりスマートな車線選びができ、ストレスの少ないドライブが楽しめることだろう。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

新着情報