「え?」思わず聞き返して何度も呼びたくなる! 日本で聞くと不思議な「語感」の車名とその意味 (2/2ページ)

自動車界きってのキワモノは名前までも声に出したくなる存在!

 ちなみに「ギリシア文字そのまま読み車名」というのはランチアの各モデルでおなじみなわけだが(β=ベータ、δ=デルタ、ε=イプシロンなど)、ランチア以外のメーカーもときおり採用している。

 有名なところでは1969年に作られた幻のスーパーカー「ランボルギーニ イオタ(イオタはギリシア文字の第9字母)」があり、比較的身近なところでは「三菱 ギャラン ラムダ(λ)」「三菱 ギャラン シグマ(Σ)」、あるいは「いすゞ ミュー(μ)」も「ギリシア文字そのまま読み車名」である……なんてことを考えていたら、話が完全に横道にそれた。今回のお題は「思わず声に出したくなる車名」であった。

※写真はランボルギーニ ミウラ SVR

 編集部からのサジェストによると、1998年に発売された2列×3人がけシートを持つイタリアのMPV、フィアット ムルティプラの「ムルティプラ」も、思わず声に出して叫びたくなる車名らしい。

 まぁあいにく私はとてつもなく学があるので、イタリア語のことはわからずとも、ムルティプラと聞くだけで「英語で言うMultiple(マルティプル=多様な、多角的な)のイタリア語版であろうな」と一瞬でわかってしまうわけだが、もしも私に学がなかったとしたら、たしかに「ムルティプラ」というのは声に出したくなる車名かもしれない。

 ムルティプラ。それは南太平洋に浮かぶ小さな小さなフランス領。フランス領になる前のムルティプラ島では代々、ムチムチした体型の王様が島を治めていた。現在、公用語はフランス語とティプラ語……などという、ありもしない歴史も脳裏に浮かんでくる。

 なおフィアット ムルティプラは1.6リッターエンジンを積む変な顔のMPVだが、走りは猛烈に素晴らしい車であった。またあまりにもヘンな顔であるため(私は好きですけどね)、後期型ではごくフツーの顔に変えられたのだが、今度はフツーすぎて逆に売れなかったという黒歴史を持っている。


伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

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町田 康

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