まだまだクルマは男性目線で作られている! 運転女子の「密かに苦労している」こと8つ (2/2ページ)

ハンドル上のスイッチでの操作が苦手という人多数

5)シートアレンジ

 5つ目は、届かない第二弾、シートアレンジの復帰操作です。ラゲッジスペースを広げようと、後席を倒す時はラゲッジ側からできるのに、やっぱり戻そうと思うと、ラゲッジ側からは手が届かないんです。長身の男性なら、手を思いっきり伸ばせばラゲッジ側からも復帰できるんですが、女性はわざわざ後席のドアを開けて復帰させるという手間がかかります。これもなんとかならないものでしょうかね。

 以前は、トヨタ・エスティマや日産ムラーノなどに電動で後席の復帰ができる機能があったと思うのですが、現時点でついているのは輸入車の一部くらい。コストもかかるし、重量もかさむので難しいのでしょうが、何か画期的なアイディアでこの苦労を救って欲しいものです。

6)駐車場の料金精算機

 6つ目は、届かない第三弾、料金精算機に手が届かない問題です。駐車場などで料金を支払う時に、クルマを精算機にギリギリまで寄せるのが苦手な女性は多いですが、そのせいだけでなく、小柄な女性の腕ではいくら伸ばしても手が届かないことが多すぎです。そのため、いちいちシフトレバーをPに入れ、サイドブレーキを引き、ドアを開けて精算する羽目に。

 最近はオートブレーキホールドが採用された軽自動車も出てきて、こんな時にも安心になりましたが、ないクルマだと面倒だし、時間がかかるから後ろに並んでしまって気まずいし、駐車場に入るのが憂鬱にさえなります。ETCが導入された時に、近いうちにETCカードで自動で駐車場などの料金精算ができるようになる、なんて言ったのは誰? 1日も早く実現して欲しいところです。

7)ブラインド操作のインターフェース

 7つ目は、「ブラインド操作のインターフェース、意味不明!」です。確か20年くらい前から、高級車がこぞって採用し始めた、画面を見ながら手元のダイヤルを動かしてナビ入力やオーディオなどを操作する、というシステム。運転中の視線移動を少なくするためとかなんとか言っていたと思いますが、女性はこれが大の苦手という人が圧倒的です。

「どうせ画面を見ているんだから、タッチすれば早いじゃん? ダイヤル回して平仮名を1文字ずつ選んでいくとか、なんでそんなまどろっこしいことするの?」というのが女性の本音。テスラみたいにタッチスクリーンしかないクルマも登場し、世の中はどんどんまたタッチ操作に回帰していますが、女性にとってブラインド操作ほど意味不明なものはないと言えます。

8)髪型

 8つ目は、「ヘッドレストに当たるからヘアアレンジができない!」です。これはロングヘアの女性なら一度はガッカリした経験があるかもしれませんが、ハーフアップや編み込みなど、せっかく苦労してヘアアレンジを綺麗にしてきたのに、バレッタやシュシュなどお気に入りのヘアアクセサリーをつけてきたのに、いざ運転しようと座ったら、ヘッドレストに当たって痛い……。なるべく頭をヘッドレストから離して運転を試みるも、姿勢がキツくて首が痛いのと、もし追突事故など起こされたら危ないので、仕方なくヘアアレンジを諦めることに。ポニーテールだって、ちょうど耳よりちょっと上のあたりで結ぶのが可愛いのですが、やっぱりヘッドレストに当たって運転しにくい状態になってしまいます。

 以前は、ヘッドレストの真ん中が空洞になっているタイプもあり、それだとうまい具合にヘアアクセサリーが当たらない位置にできたりしたのですが、最近はあまり見かけなくなってしまいました。もちろん、ヘアスタイルより命のほうが大事なので贅沢は言いませんが、最新の技術をもってすればなにか対策を施すことができるのではないか? と期待しています。

 というわけで、女子ドライバーが密かに苦労していること、欲しいと思っている機能をご紹介しました。男性の皆さんには、もし身近に運転する女性がいたら、こうした苦労をしながらも頑張って運転しているんだなと、大きな心と温かい目で見守ってあげて欲しいと思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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