1度買えれば庶民でも乗り続けられる! 普通のクルマとは違う「スーパーカー」の価値と乗り方 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■スーパーカーを購入する人たちは車両価格の全額を持ち出しているわけではない

■スーパーカーの3年後の残存価値はメーカによっては70%もある

■首尾よく売却すればフツーのクルマと変わらないコストでスーパーカーに乗れる

スーパーカーの購入と売却にまつわる驚愕のカラクリ

 数千万円もするスーパーカーや高級車が、まるで景気と関係ないかのごとくポンポンとコンスタントに売れているのは、「富裕層がそれだけ多いから」というのは正解なようで一部誤解でもある。スーパーカー1台を買うのに資金がいるのは確実だが、何もオーナーたちは車両価格と諸経費の全額をもち出して購入している訳ではない。

 法人や事業主が社用車を「経費で落としたがる」のは知られた話だが、新車の耐用年数は税法の上では6年、経費としては毎年ざっと車両価格の6分の1づつしか計上できない。だから丸ごと購入より月々の経費として算入しやすい残価設定ローン、つまりリースで買う方が確定申告で有利になることが多い。とはいえ数百万円クラスの国産車や並の輸入車の残価設定ローンとスーパーカーのそれは、ファインナンス上の仕組みは同じでも購入から売却までの様相はかなり異なる。

 そもそもスーパーカーの場合、客もディーラーも、ハンコを押して納車を待つのではない。量販車とちがって工場の生産枠が限られるため、車両価格の何分の1か、大体500万円~の額を前金として差し入れて、初めて現地工場に生産の申し込みが入れられる。生産枠からしてオーダーして待つのだ。それから半年か1年、人気車種なら数年が経過してようやく、自分の枠がまわってきて、初めてディーラーから「じゃあコンフィギュレーターで仕様をつくりましょうか」と連絡が入る。

 無論、転売ヤーとか、せっかちな客もいなくはない。だが「現金で払うから即納車が絶対条件」で、ディーラー在庫の白ボディ×革内装フルオプション的な無難仕様を嬉々として手に入れたはいいが、数年後に下取り価格が安いと怒ってクレーマーと化すような客筋とは、時間とお金の流れ方がもとより違っているのだ。


南陽一浩 NANYO KAZUHIRO

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ランニング
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