5億円に迫る勢いで爆騰中のフェラーリF50! その中身は乗り心地度外視の「公道を走るF1」だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■フェラーリ創立50周年記念モデルとして1995年に349台限定で発売されたF50

フェラーリF50はF1で培った最新技術を搭載したもっともF1マシンに近いスペチアーレだ

■2021年8月のオークションではF50史上最高値となる約4億5000万円で落札された

F40に続く50周年記念モデルはまさに公道のF1マシンだった

 フェラーリが、あのF40に続く創立50周年のアニバーサリーモデルとして、F50を発表したのは1995年のジュネーブ・ショーでのことだった。F40が1987年にデビューしたことからも分かるように、正確にはフェラーリの創立50周年は1997年でなければならないはずなのだが、フェラーリは349台の限定とされたF50の最後の1台を1997年にデリバリーすると説明。とはいえ、それはあくまでも表向きの理由であり、実際にはヨーロッパで1998年に導入が予定されていた新基準のエミッションコントロールを意識しての生産計画だった。

 この原稿を書くために、当時ジュネーブ・ショーで配布されたプレスリリースをもう一度読みかえす。もっとも興味深かったのは、その冒頭にあるコメントで、そこには「F50はF1マシンが進化する中で、レーシング・フェラーリのステアリングを握る機会を失ってしまったカスタマーのために、その感動を再び経験できるようにすることを決断した結果の、フェラーリからの回答である」という一文があった。この言葉こそが、F50のコンセプトのすべてであり、ここ最近のオークション・シーンにおけるF50人気の大きな理由であると考えてよいだろう。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

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