世界的に進むEV化の波! タクシーやパトカーはどうなる? (2/2ページ)

パトカーは無線や回転灯などに電気を必要とする

 英国では、ロンドンタクシーがEV化されている。そして客待ちをするタクシー乗り場に充電器の設置が進められた。公共の乗り物であるタクシーからのEV導入により、EVの普及を促進しようというのだ。日本とは発想が逆転している。EVへの充電は、毎回満充電にしなくても継ぎ足しでよく、それでもバッテリーを傷めないのがリチウムイオンバッテリーの特徴でもある。

 警察のパトロールカーは、年間7万kmほど走るとの情報があるが、未確認だ。それを年間の日数で割ると、一日約200kmの走行ほどと計算できる。走行距離的には、現在の標準的なEVのバッテリー性能で足りる計算になる。

 しかしパトロールカーの場合は、待機している間もアイドリングを続け、緊急時にすぐ発進できる体制をとるので、エンジン車の場合はエンジンを稼働している時間が長くなる。EVはアイドリングしないし、暖気も必要ないので、その間に電力を大きく消費することはない。しかし警察車両に車載される無線や情報端末の機器、あるいは回転灯や表示灯などに電気を必要とするだろうから、待機中に消費電力がないわけではない。

 深夜や早朝にパトロールカーが待機を余儀なくされる際、アイドリングをしないEVは静粛性を維持できる利点がある。

 ごく日常的に利用される場合、警察署に充電器を設置しておけば、署へ戻ったら必ずコンセントをつないでおくことを励行することにより、EVとなっても利用可能になるのではないか。機会があれば、取材してみたい内容ではある。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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