世界最強の水陸両用車がウクライナにあった! 「SHERP」のスペックが理解不能なレベル (1/2ページ)

この記事をまとめると

■世界最強の走破性を誇ると話題のATVがウクライナのシェルプだ

■ホイールはショックアブソーバーとして機能しているだけでなく燃料タンクになっている

■「地球上でもっともリーチしづらい場所へ」というモットーをもつ

ファニーな外観からは想像できない本格派ATV

 ヒップホップアーティストのカニエ・ウエストが愛用していることでも有名なATV(All Terrain Vehicle:全地形対応車両)がこちら、ウクライナのシェルプ(SHERP)です。デカ過ぎるタイヤとオモチャのブロックでこしらえたかのようなボディで、筆者はカニエのPVで目にした際、「さてはカニエの自作か?」と勘繰ったほど。

 もっとも、水陸両用車とかATVというのは、アプローチアングルをかせぐ目的からショートホイールベースになりがちで、しかも走破性能をあげるために大径タイヤを用いることが少なくないので、わりとファニーなルックスが多いもの(古くはVW製シュビムワーゲンなど)。

 さて、シェルプは派手なラッパーが乗っているからといって、レジャー用ATVと思ったら大間違い。なにしろ、国連が到達困難地域への物資輸送に使うなど、各国の軍隊や森林消防隊といったガチ勢がユーザーに名を連ねているのです。また、同社サイトによれば、石油・ガスの開発、電線やアンテナの設置、あるいは捜索救助といった用途が並べられ、そのルックスからは想像できないシリアスなニーズにも対応しているのです。

 もちろん性能や機構についてもシリアス! たとえば、デカ過ぎなタイヤは空気圧を地形にあわせて車内から調節可能、すなわちショックアブソーバーの役目も果たしているのです。さらに、空気圧の調整はエアポンプなどを使わず自らの排気ガスを利用するという仕組みもビックリドッキリメカっぽいでしょう。おまけに4輪のホイールが燃料タンクになっているなど、よく考えられているのです。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

文筆業

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三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
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