進化しないんじゃなくて必要ない? クルマの「発炎筒」が昔から変わらないワケ

この記事をまとめると

■発炎筒の正式名称は「自動車用緊急保安炎筒」

■使用期限は4年、燃焼時間は5分

■発炎筒が昔から形を変えない理由について解説する

使用期限は4年、燃焼時間は5分

 発炎筒はどんなクルマにも必ず積んである。道路運送車両法の保安基準で定められていて、車検でもチェックされるので搭載しておかなくてはならない。発炎筒は正式には「自動車用緊急保安炎筒」と呼ばれ、まず発煙ではなく、発炎である点に注意。実際に使ったことがある人ならわかるだろうし、夜間の道路工事で急に車線が変わるときなどに路面に置かれているので見たことがあるだろう。使い方としてはキャップを取るとマッチみたいになっているのでこするだけ。煙もそこそこ出るが、真っ赤な炎がけっこうな勢いで出る。

 発炎筒はJIS規格に定められていて、使用期限は4年、燃焼時間は5分となっている。燃焼についてはいいとしても、使用期限については注意が必要だ。安いものなのでたまにチェックして、切れそうだったら早めに交換しておきたい。

 疑問に思うのは、なぜ昔から変わらないのかということ。クルマとともに発炎筒も進化しないのか? という声も聞かれるが、めったに使わないため、あえて進化させる必要はないというのはあるだろう。また、使うシーンとしてはトンネル内での交通事故や踏切内での立ち往生など限られているため、あえてあれこれ進化させる必要はない。しかも、現状のマッチ式でまったく問題ないので、なおさらだ。

 ただ、以前は発炎筒以外もあった。保安基準の規定としては「基準に適合する非常信号用具を備えなければならない」とだけあるので、炎が出るものでなくてもかまわない。この点については「自動車には非常時に灯光を発することにより、他の交通に警告することができ、かつ、安全な運行を妨げないもの」とあるだけ。

 これを受けて存在したのが懐中電灯式の信号灯で、お尻の部分が磁石になっていてボディに固定が可能。スイッチを入れると点滅して周囲に存在をアピールできた。結局、安いとはいえ、発炎筒は期限があって捨てるのはもったいない。懐中電灯式であれば、ふだんは夜に物を探すときなどにも使えるので、使い勝手はいいように思えるのだが、これはこれで電池切れの可能性もあるため、どっちもどっちといったところだろうか。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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