令和の時代にも見かける駐車場の「外車お断り」の看板! その意図とは?

この記事をまとめると

■「外車お断り」という看板を掲げる駐車場がある

■なぜ一律外車お断りの駐車場があるのだろうか?

■駐車場を管理している不動産屋に聞くと、3つの可能性が挙げられた

輸入車の方がいたずらの被害が多い地域も

 少なくとも東京では最近あまり見かけない「外車お断り」の看板がある駐車場。国内の普通乗用車の17%が輸入車(2018年のデータ)で、都市部では30%近いといわれているのに、なぜ一律外車お断りの駐車場があるのだろう。

 筆者が契約している駐車場(外車お断りではない)を管理している不動産屋に聞いてみたところ、次の3つが主な理由なのでは、と話してくれた。

いたずらの被害が多い

 ほとんどの駐車場には、「場内での事故・盗難について、(駐車場)管理者は、一切責任を負いません」といった注意書きが記されているが、実際に車上荒らしやいたずらに遭うと、「被害を補償して欲しい」などと、管理会社や駐車場オーナーに管理責任を追求してくるケースが少なくないらしい。

 そうしたなか、地域によっては輸入車=お金持ちといった構図から来る妬みなのか何なのかはわからないが、輸入車がいたずらに遭う割合が多く、そのため利用者からのクレームを回避するために、輸入車の駐車を断る例があるとのこと。

サイズ的な問題

 3ナンバーお断りの駐車場があるように、駐車スペースが狭いところなどでは、輸入車=車体が大きいという短絡的な発想で、輸入車の利用を制限しているパターンもある。

 こうしたところでは、ベンツやBMWなどのメジャーな輸入車ではなく、比較的マイナーなメーカーのコンパクトカーで、右ハンドル仕様だったりすると、難なく止められることもある!?

反社会的勢力のドライバーを避けるため

 大阪などで、「外車お断り」の駐車場が多いのは、いわゆる反社会的勢力とみなされる方々に外車ユーザーが多いからと言われている。直接、ごねられたり、もめ事になったことがなくても、その筋の方々とそもそも関わりたくないという発想で、外車お断りの看板を掲げているようだ。

 その他、駐車の際、クルマのカギを預かる型式の駐車場だと、法的には自動車の保管・管理の責任まで負うことになるので、万が一、クルマを移動させるときに傷をつけると、国産車よりも修理費が高価になりやすい輸入車が敬遠されたり、スイッチ類の位置などが個性的で、操作に戸惑うことが多いというのも考えられる。

 もっとも、駐車場だけでなく、洗車やオイル交換でも「外車お断り」や工賃割り増しのお店もあるわけで、意外に国産車と輸入車が区別されるシーンはあったりする。

 しかし、国産ブランドの車種でも、ホンダのシビックやアコード、GRスープラ、日産マーチ、トヨタのタウンエース&ライトエースなどは、海外の工場で生産されて、日本に輸入されているので、厳密にいえば輸入車になるわけだが……。

 インチサイズの工具など、国産車とは違う工具が必要な場合、作業を断ったり、割増料金が必要になるのは仕方がないが、駐車場や洗車については、早く国産車と輸入車の区別をなくしてもらいたいものだ(車種によっては、取扱説明書に「自動洗車機や高圧洗車機を使用しないこと」と書かれている場合もある)。

※写真は全てイメージ


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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