10年前に突如復活で昭和オヤジを感涙させた「ダットサン」! なんと人知れず再度消滅していた!!

この記事をまとめると

■ダットサンは日産自動車のブランド

■一度消滅したが、2012年に新興国向けブランドとして復活した

■ロシアでも生産・販売されていたが、現在はどうなっているのだろうか?

復活したものの再び消滅してしまった「ダットサン」

 ロシアの侵攻に対して、ウクライナを支援すべく、各国ともにさまざまな対応をしているが、民間企業の多くがロシアからの事業撤退を行っている。マクドナルドなどのファーストフード店が話題になるが、自動車メーカーも例外ではない。ロシアは市場として巨大で、富裕層も増えているので、痛いところではあるが、同国に利益を供与するような行為はやはりできない。

 そこでフト思うのが、伝統あるダットサンがどうなっているかということだ。ダットサンはご存じのように、日産の前身にあたる会社のひとつに由来するもの。非常に複雑な経緯なのでここで詳しくは紹介しないが、DATとは支援者である3名、田健治郎、青山禄郎、竹内明太郎の頭文字をつなげたもので、試作車が息子のようなものということで当初はDATSONと呼ばれていたが、SONが損になるというので、SUNに変えてダットサンになったという歴史がある。

 日産になってからもしばしば使われていて、北米を中心とした海外モデルに付けられることが多く、フェアレディZなどに、ダットサンが車名として使われていたのは有名なところ。国内でもダットサントラック、通称ダットラに使われていて、日産ファンとしても、思い入れの深いブランド名だろう。

 1980年代に入ると、基本的には国内だけでなく、海外でも使用されなくなって、消滅してしまった。しかし、2012年に突如復活が発表されて、ロゴもシンプルで洗練されたもので、クルマ好きは驚いたものだ。

 ただし、広く使うのではなく、新興国向けの廉価ブランドとしての復活だった。新興国とは、インドやインドネシア、そしてロシアを指していて、これらで現地生産&販売を開始。さらにパキスタンなども加わるなどした。

 つまりダットサンの市場はロシアも含まれているわけで、今回の戦争でどうなったのか調べてみると、残念ながら消滅していた。なくなると発表されたのは2022年4月のことなので、ウクライナ戦争は関係しているように思える。正式な理由としては今回の件には触れられていないが、巨大な市場からの撤退を余儀なくされているだけに、関係ないことはないだろう。

 そもそも伝統のブランド名を新興国向けにしていいのかという意見は当初からあっただけに、複雑な気持ちではあるが、ダットサンがまた消えてしまったのは残念なところだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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