この記事をまとめると
■緊急車両にも法定速度が定められている
■緊急走行時、一般道では引き上げられるが、高速道路は一般車両と変わらない
■しかしスピード違反の取り締まりでは適応外となる
速度の上限は法律で決まっている!
栃木県警には日産のR35GT-Rや477馬力のレクサスLC500のパトカーがあり(かつてはホンダNSXも所有)、警視庁にはZ34の日産フェアレディZ、埼玉県警にはスカイラインGT-R(R34)など、日本を代表するハイパフォーマンスカーのパトカーが存在しているのはご存じだろう。
これらのパトカーは、空力的に赤色回転灯のおかげでかなりドラッグ(抵抗)があるにせよ、リミッターさえカットしてあれば最高速度は軽々と200km/hを超えるだけの実力はある。
しかし、そうした速度で実際に公道を走ることが許されるのだろうか?
こうした例外的なパトカーをはじめ、一般的なパトカーや消防車、救急車など、いわゆる緊急車両といえども、速度の上限は法律で決まっている。
緊急車両は、公安委員会の指定(もしくは届け出)を受け、緊急用務を遂行する目的で、赤色灯を回転させながらサイレンを鳴らし、運転しているクルマに限られるが、これらの要件を満たした場合、最高速度の規制が緩和される。
どれぐらい緩和されるかというと……
一般道路:80km/h
高速道路:100km/h
まで。
つまり、一般道の最高速度は、20km/h引き上げられているが、高速道路は一般車両と変わらない。
だとすると、一般道なら80km/h以上、高速道路では100km/hの速度で走行し、速度違反を犯しているクルマは追尾できないことになるわけだが???
お上もそこのところは考えてある。
道路交通法道路交通法41条の2「緊急自動車等の特例」を見てみよう。
ここには以下のように書かれている。
「前項に規定するもののほか、第二十二条の規定に違反する車両等を取り締まる場合における緊急自動車については、同条の規定は、適用しない」
ちょっとわかりづらいので補足すると、
上記の道交法第22条とは「最高速度」のことなので、簡単にいえば、最高速度の取り締まりを行う緊急車両=スピード違反を取り締まるパトカーは、どんなに速く走ったとしてもスピード違反にはならないよ、というルールだと思えばいい。
というわけで、各地の高速道路、とくに新東名や東北道などの120km/h区間で調子に乗って飛ばしていると、合法的に最高速度の縛りがなくなった、高速道路交通警察隊の高性能パトカーに追いかけられることになるので、くれぐれも安全速度は守るようにしよう。