ホンダの原点「バタバタ」が蘇った! これまでの「アシスト自転車」とは違う「SmaChari(スマチャリ)」がスゴイぞ (2/2ページ)

今年の9月から販売スタート!

 今回発表されたこの「SmaChari(スマチャリ)」は、ユニットだけでは販売されず、実際に製品化されている自転車とセットで展開されることになっている。

 そして、この「SmaChari(スマチャリ)」の記念すべき第1弾として、今年の9月より販売を予定されるのが、国内の一流自転車ブランド「コーダーブルーム」より販売されるクロスバイク「RAIL ACTIVE(レイルアクティブ)」をベースとした「RAIL ACTIVE-e(レイルアクティブe)」だ。

 軽量かつ高剛性なアルミフレームをベースに、軽快なスポーツ走行が楽しめるスポーツタイヤや耐久性の高いシマノ製コンポーネント(一部)を採用したモデルとなっており、重量も一般的なママチャリと呼ばれる自転車のおおよそ半分となる9.9kgを実現している人気のクロスバイクだ。

 それに、ホンダが開発したこの「SmaChari(スマチャリ)」が組み合わせられる。販売は、日本全国に33店舗構える大手自転車販売チェーン「Y’sロード」にて行われる。修理などもホンダではなく店舗での対応となるという。「Y’sロード」は、プロ仕様のロードバイクと呼ばれる車両の販売や整備も行なっている店舗なので、安心して購入からメンテナンスまで依頼できるのがポイント。今年度より努力義務となったヘルメットなども扱っている。

 この「RAIL ACTIVE-e(レイルアクティブe)」のダウンチューブに搭載されるバッテリーは「24V/100A/250W」という仕様で、ユニット全体の重さは5kgほど。BB(自転車のクランクが装備されている部分」にモーターなどがセットされて走りをアシストする仕組みで、構造自体は一般的な電動自転車とそう変わりない。

 アシスト可能な速度は、法律で定められている24km/hまでとなっているので、それ以上はアシストされずに通常の自転車として使用できる。これ以上の出力となると法規が変わってくるので、自転車の持つ魅力である「もっとも身近なモビリティ」から離れてしまうということもあり、今回はこのような仕様になっているという。

 なお、形式認定を申請中とのことなので、販売日までにはちゃんと公道で乗れるよう現在調整中とのことだ。

 と、ここまで「SmaChari(スマチャリ)」のパワーユニットに関する話などをしてきたが、このユニットの1番の魅力はスマホ側のアプリにあると野村さんは語る。

 この「SmaChari(スマチャリ)」を利用するためのアプリには、地図データなどを表示する機能があり、この地図にはホンダが販売しているクルマから得たデータを元に「急ブレーキポイント」などの事故が起きやすい地点を反映するサービスが搭載されている。これにより、自転車に乗る人が「危ないポイント」を把握することができるので、より安全に自転車に乗ることができるのだという。

 また、自動車メーカーらしいのが「SmaChari(スマチャリ)」のアプリ設定を通してモーターを制御する「急発進抑制機能」の存在だ。こういった細かい安全に対する配慮は、社長の三部敏宏氏が掲げた「2050年に、全世界でホンダの二輪・四輪が関与する交通事故死者ゼロを目指す」ことにも繋がるはず。

 また、スマホが自転車のカギとなり、かざすだけで電動ユニットのロックを解除することもできるので、セキュリティ面も一般的な自転車より強化されている(NFCによる操作なのでNFC非搭載端末はアプリ経由でロック解除が可能)。ただし、自転車本体の物理的なロックとは連動していないので、電動ユニットのロックとは別にチェーンなどで自転車本体にも鍵をかけることを強くオススメするとのこと。

 そのほか、フレンド機能などを搭載していたりするので、位置情報などを友人同士などでシェアすることも可能。アプリなので販売後にさまざまな機能を追加していきたいとも野村さんは語ってくれた。アプリのDLは無料となる。

 自転車にはホンダのロゴなどが記載されず、あくまでアプリ側のみにホンダのロゴが出る仕立てになっているそうで、今後はコーダーブルーム以外の自転車などにも技術提供をし、幅広く展開していく予定とのこと。

 自転車本体の価格は22万円(税込)となる。価格は若干張るかもしれないが、ホンダが手がけた新しいサービスといつでもどこでも乗れる自転車という組み合わせと考えれば、決して高すぎるということもなさそうだ。何より、ベースがスポーツタイプの自転車なので、高級感があるところもポイントと言えよう。

 余計なお世話かもしれないが、個人的には「高校生向けのサブスクリプションサービス」や「学生限定レンタルサービス」を用いて「月額制の3年契約/修理や点検は期間中は無料」みたいな展開をすれば、より高校生をはじめとした学生たちに魅力が広がるのではないだろうか? と思ったりもした。

 令和に蘇った最新の「バタバタ」は可能性の塊といえそうだ。


WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

編集者

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