ハイテク&デジタルが生んだデコトラ「花魁号」! 美しすぎるその姿にファンの熱視線が止まらない (2/2ページ)

ライトなカスタムパーツも魅力的

 最新テクノロジーをデコトラに採り入れることにも積極的である一方で、ミラーステーやデコレーション用のメタルパネルなど、オリジナルのプレミアムかつ高品質なパーツを開発生産することが花魁ジャパンのビジネス。たとえばリヤの観音開きゲートは、3mm厚のステンレスパネルの鏡面仕立てで、鏡でも見たことがないほどの巨大反射面に圧倒される。

「これ以上に薄いステンレス板だと波打っちゃって、こうもキレイに像は映らないんです。このパーツがほとんどワンオフな一方で、テールランプのキット、近頃の最新のものは3列シーケンシャルのウインカーになっていますが、やはりこのあたりが最初にデコトラのオーナーの誰もが手をつけるところ。うちのベストセラーです」。

 他にもライトなカスタムパーツとして興味深いのは、金属パネルやホイールリムに貼るだけでエレガントな蔓草モチーフがあしらえる、両面テープのソフトメタル・アクセサリーが挙げられる。何とボディは無論、ホイール内側にまで貼れるとか。

「最初は金型を作ってキャストで本格的なものを作ろうとしたのですが、こちらの方がオーナーさんが貼りたいところに自分で貼れるというメリットが大きいです。それにいまはトラック業界も配送先の出入りを含めコンプライアンスが厳しくて、法規対応の範囲内でのカスタムが求められますから」。

 ちなみに最新のアイテムのひとつが、オープニング付きのテールランプ。電源ONにすると、5つの巨大発光部をもつLEDがひとつずつ光ってオーナーを迎え入れる工夫だ。

 すでにこのデモカー自体が3年近く使っているそうで、「そろそろリニューアルしたいですね。もちろんサイドパネルの図柄も一新して」。

 ところで先ほど説明した「オートボディプリントは通常だと、高さ70cmの部分には塗装はつけられない。どうしてパネル最下部にまでCGの絵柄が行き届くほどのキャンバスを作り上げられたかといえば、「トラックごと、塗装マシンの前で70cm持ち上げているんですよ。大変でしたけど、そこが違いを生むディティールだと思って」

 最新ツールも、使う人間の知恵とパッションがないと使いこなせないという、好例だったのだ。


南陽一浩 NANYO KAZUHIRO

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